ぬばたま (新潮文庫 と 9-6)
ぬばたま (新潮文庫 と 9-6) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
30歳・独身の綾子は、妻子持ちの男と充たされた交際を続けていた。ある日綾子は、昔の恋人・奥村と偶然再会する。奥村は10年前、献身的に尽くす綾子をさんざん振り回した挙げ句、無残に捨てさった。奥村も今や妻子持ちの身だが、「やりなおさないか」と綾子に囁く。今の綾子には恋愛に対する自信がある反面、「また捨てられる」という恐怖感もある。そして、逃げ水のような恋愛ゲームが始まった—。
2000/06/24
アーモンド
平成12年発行本。大人の恋の駆け引き。登場人物それぞれの孤独感が垣間見えるが、誰一人本音を相手に語らず。誰しも孤独感から逃れる事などできないのかもしれない。携帯電話が一般に普及前で、やはり古さは否めず。この20年の通信手段の普及は、生活を劇的に変えたなーと実感しました。
2019/08/27
みも
感情の機微の表現が実に巧みで、人物を生々しい生きた物にしている。唐突に見せない感情の変化を言葉で表す語彙の選択は、実力者との印象を強く持つ。それ故に、主人公綾子の相手を傷つける事を厭わない言動、情緒の揺らぎ、策略などがあまりにも現実感を持ち、相手との駆け引きの狡猾さが、恋愛に不器用な僕を実に不愉快にさせる。しかし、綾子がまとった鎧はかりそめの物でしか無く、いや、それどころか幻影だったのかもしれない。綾子に近づく奥村の身勝手さが際立っている。離婚を隠し通した彼の意図したものは…僕には理解不能。読後感は悪い。
2016/04/26
ミカママ
男に対して「~ですわ」なんていう男にこびまくりの主人公。いやだいやだ。そしてその主人公の女友だちも、表面上は親友を装いながら、実は裏でいろいろ画策している模様。後味悪い作品でした。これほんとに女性作家が書いたものかしら。
2012/10/15
チェス
これは結構好きかも。 図書館本。
2019/03/09
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