ガリバーが行く (新潮文庫 の 7-5)
ガリバーが行く (新潮文庫 の 7-5) / 感想・レビュー
saga
【再読】『こぎおろしエッセイ』の第3集。アウトドア雑誌BE-PALに現在も寄稿している著者。以前も書いたが、この頃の著者は、日本では椎名誠らの怪しい探検隊などとの海・川遊びと、ユーコン川ツーリングを活動の中心をしており、数日から数か月単位の出来事を綴るため、他の著作とのネタがかぶるのはしょうがいないのだろう。長良川河口堰反対運動がリアルタイムで進行していた時のエッセイで、あとがきも天野礼子さんなのだった!
2022/02/17
miroku
自由で良いなあ・・・。
2009/05/11
圭
日本の那珂川、筑後川、釧路川、球磨川、江の川、川辺川、長良川から西表島など南の海、NZのトンガリロ川、アラスカのユーコン川、カナダのイネステイラー川まで、様々な場所でのカヌー体験が綴られたエッセイ。自由気ままに漕ぎ下りを楽しんでいるような著者だけれど、言葉の端々に失われていく日本の川への嘆きがある。公共工事のコンクリで固められ死んでいく日本の川、海での海上保安庁の話など、規制=善、開発=善という考え方だけで、一部だけを見て環境全体が考えられなくなる怖さと失ってしまうものの大きさを考えさせられる。
2013/11/27
たーくん
どこか遠いところへ行ってみたいと思うことはないだろうか。木陰でまどろんだり、澄んだ瀬に足をひたし、思いっきり水とじゃれてみたいと思うことは―。漂う雲のように、流れる川のように、旅に暮らす野田知佑。彼のカヌーの波紋に浮かんだよしなしごと、あるいは小人国を彷徨うガリバーのように日本と世界の川を下りながら紡いだ言葉の数々を収めた漕ぎおろしエッセイ第三集。
2017/06/19
SokoniSokoni
大学時代、野田さんと同じようにボート部だった。瀬田の唐橋の下流すぐに合宿所があり、そこで寝泊まりしながら、体力づくりのための地味で激しい運動に明け暮れていた。このときに野田さんの本を読んでいれば、窮屈な団体競技の世界を飛び出して、優雅な川下りにチャレンジできたのになあ。しかし、そのためには知性が必要。川の生き物との命のやり取りは別にして、日々の生活は、川の上でも退屈だ。
2014/12/25
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