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コンセント (新潮文庫)

コンセント (新潮文庫)

コンセント (新潮文庫)

作家
田口ランディ
出版社
新潮社
発売日
2007-09-28
ISBN
9784101412375
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コンセント (新潮文庫) / 感想・レビュー

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びす男

裏表紙のあらすじが引っかかる。「人間の心の闇をリアルに捉えた…」。これがリアルなら、たまったものではない■心の病だった兄の孤独死に意味を求める女性はやがて、兄と同じ性質が自分の中にもあると勘づく。人に強く感応する力だ■生きるため、あえて心の感度を下げてきた彼女。その様を読み、人ごとでない気味悪さにあてられた。疲れるから仕事以外で人と会うのをサボる僕も、同じようなものだ■主人公が「コンセント」してからの叙述は荒唐無稽。だが、人によってはノンフィクションなのかも……。そう考えると、なかなか奥深い小説である。

2018/01/26

Tsuyoshi

初めての作家さん。主人公・ユキが兄の孤独死と、その前後で自身が感じた様々な現象の真理を探るべく幻覚、幻聴、精神分裂、イタコ等々ディープな精神世界を渡り歩く話。様々な外界の刺激の感受性の高い人をコンセントで表現したのは分かりやすかった。受け手としての特異な能力を持った主人公が娼婦になってしまうラストには唖然としたが。

2017/09/23

ぶんこ

半分近くまで我慢して読みましたが、気持ち悪さが限界にきてギブアップ。精神的に不安定な一家。酒乱で暴力的な父、愚痴を娘に延々とこぼす母。幼い10歳下の妹をいじめ続けた兄。その兄が餓死。後始末を妹一人に押し付けた両親。これ以上感想を書きたくないです。ホラーが苦手なので、ホラーではないのでしょうが、わたしにはホラーそのものでした。

2017/12/09

猫のゆり

発表当時かなり話題になったのに何故かスルーしてしまい、最近震災後に出た『サンカーラ』を読んで興味を持って、デビュー作の『コンセント』に逆もどりして読んだ。兄の孤独死という重い実体験を基にした話というのは知っていたがそれ以上の知識はなかったので、どこまでが実話でどこからが創作かとか何も考えず、小説として楽しみことができた。実際、読者にとっては事実かそうでないかなど問題ではない。性描写が多いな、とは思った…性は生の鮮烈な象徴であると同時に死にも近いものであるから、この小説の重要なモチーフであるのも頷ける。

2013/02/15

加悦

再読。 初めて読んだ時は、あまりにも精神的すぎてすごいインパクトある一冊で衝撃的でしたが、再読してみてもすごかった、、、。 兄の死をきっかけに、スピリチュアルな世界に入った妹のお話です。 誰かが死んでしまうと、その死に方だったり晩年について考えがちだけど、どう生きたか、何を残したか、ということについても考えてみるのがいいのかなと思いました。 生き物は、全て何かに繋がっているのかな。 とても命の力について考えさせられる一冊でした。

2021/09/26

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