隅田川: 慶次郎縁側日記 (新潮文庫 き 13-9)
隅田川: 慶次郎縁側日記 (新潮文庫 き 13-9) / 感想・レビュー
k5
電子だけど積読していた一冊。シリーズのずいぶん後半の巻で、なんでこれ買ったんだろう?おそらく隅田川の近くに引っ越したときだと思うのですが、、、それはそうと万引きのネタが多い短篇集。人情の機微というよりは、一皮むけば病を抱えているというような人の心の弱さを描いている感じです。ある種、北欧ミステリに通じるものがあるかも。じわじわ読んでいければと思います。
2024/05/12
ちゃいろ子
読むほどに味わいが出る大好きなシリーズ。 「一炊の夢」では慶次郎は最後にほんのちょっと出てくるだけなのに、その穏やかな優しさで心を和ませ救ってしまう。 特に何かをしたわけでもなく、心配して話しかけただけなのだが、困っていたり悩んでいる人間を見逃さないところが慶次郎なのだ。 NHKのドラマも毎週録画して見ているが主要キャストが素晴らしい!!そしてドラマの雰囲気も良い!心の底に哀しみを抱えた人たちの健気さが愛おしくて毎回うるうるしている。
2022/04/23
くるみみ
冬の古本市で見つけた1冊を今頃。慶次郎や養子の賢吾が短編8編のどこかには出てくるけど捕物メインじゃないし終始穏やかな文体で世界に浸れた。「一炊の夢」以外はそれぞれの事情が切ない。「正直者」はその先も読みたくなるほど。このシリーズ物、少しずつ追っていこうと決めた。因みに表題作は能の演目と関係あるのかなと思ったら違った。
2021/06/13
Kira
第六集。読むのは二回目。読み終わって、いいなぁとため息の出る作品が多かった。晃之助も引き続き出番が多くて楽しめた。この第六集を境にして、第五集までよりも頁数が減って八編ほどになるのだが、何か事情があったのだろうか。
2017/10/11
kazukitti
はぁもう相変わらずのしょっぱい話ばっかだよw クソヤロウと毒親と世間の底辺を生きるしょうもない連中にだって、シンドイ理由やなんやあってって性善説と、片足突っ込んでたドブから片足ようやく引き上げて、次の一歩をまたドブに突っ込む直前の、気休めみたいなホッとする一瞬にラストを持ってくるテンプレは上手いとは思う。でもちょっとキャラ設定と状況語りが説明的に過ぎるきらいはあって、そこは京極作品なんかと全く一緒なんだけど、話の流れを情緒に振ってる分、京極マッスル屁理屈みたいな、溶け込み感がないのが残念だとも思う。
2020/03/06
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