脇役―慶次郎覚書 (新潮文庫)
脇役―慶次郎覚書 (新潮文庫) / 感想・レビュー
雨巫女。
《母‐図書館》このシリーズを読んでしまってから、読めばよかった。テレビドラマもあまりみていなかったから、みんなのキャラクターが、理解できてない。失敗だ。(泣)
2012/01/24
Kira
読むのは二回目。縁側日記で時々顔を出す脇役たちを描いた七篇と慶次郎の回想「一枚看板」を収録。この覚書は、今まで語られなかった脇役たちの情念や経歴を描く。特に「皐月」がよかった。三千代の代わりという意識がどうしても抜けない皐月の心情が切ない。根岸に盗みに入ろうとした女が皐月に後添いという立場の胸の内を語り、それに皐月の日々の思いが重なる。そんな皐月に慶次郎がかける「親子じゃねえか」の一言に、もらい泣きした。そう、生きて晃之助を愛し、八千代を生み育てて慶次郎に孫を持つ幸福をもたらしているのは皐月なのだから。
2017/10/22
山内正
買ってきた桜餅をおたかの位牌に供えてた 哀れだが何時までも引き籠もってりゃと気を揉む おぶんは父親の生きていた昔の頭に貼り付いている 世間の付き合いをさせたら私は人混みが嫌なんですと言う おぶん女房にしちまえばいいのに おすまは辰っつぁんは昔からあたしに相談する おたきさんが口惜しがってた 惚れてる人に心配させたくない いいんです言わなくたって おすまを頼りにした男も去っていった 夢を見なきゃ良かったと つり上がった目をこする 何か言っておくんなさい 何を今更古い付き合いの女は 後回しってかい
2022/06/19
沼田のに
随分前に慶次郎縁側日記シリーズ読んでそれっきりで、読む本なくなって配偶者の借りてきた本書を読み始まったので、各項の脇役の記憶が全然なくて、各脇役の設定と立場事情を飲み込むのが面倒臭かったし良く出来なかったので面白くなかった。さっさと次の本を借りてくっぺ。4/10
2015/07/18
水戸
慶次郎縁側日記の、慶次郎のまわりにいる人々の短編集。つまり、慶次郎が主人公の物語の、脇役たちのお話。ですが、これだけでも充分に楽しめます。というのも、それぞれの人生と向かい合う形の事件(当人にとっては、という場合と、ほんものの事件の場合と)を通した物語だから。どれもしみじみと、いわゆる大人の分別で、思いきったことを考えつつもできなかったり、わかっているのに改めれなかったり、打ち明けられぬ心の澱を、ようやっとすこしだけ流せたり……。あの、いかにも無頼ものな吉次さんの葛藤とラストが、特にいとおしかった。
2016/08/16
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