両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム (新潮文庫)
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両手いっぱいの言葉―413のアフォリズム (新潮文庫) / 感想・レビュー
匠
アフォリズムとは思考や観察の結果を簡潔な形で皮肉を交えたりしながら諧謔的に述べたもの。警句あるいは金言、格言。この本では寺山氏のこれまでの著作から引っ張ってきた413のアフォリズムが紹介されている。目次は愛(AI)から始まりアルファベッド順に暴力、怒り、快楽、希望、幸福、涙、死、旅路、幼年時代、そして夢(YUME)で終わるまで、寺山氏らしいキーワードが52個並んでいる。言い切っている割に別の言葉では矛盾した考え方もあって、そのあたりなかなか興味深い。またこれらの言葉から逆行して寺山作品を読むのも良いかも。
2014/04/27
nonpono
「なみだは人間の作るいちばん小さな海です」、「幸福への欲望をいだくものは、幸福とは遠いところにおかれている」、 10代、熱病のように寺山修司の世界に落ちた。20代、青森の記念館に訪れたときの感慨よ。そして大学時代に12歳年上で、寺山修司に弟子入りをして断られた男に恋に堕ちたのは、今、振り返れば必然のような気がする。今、読み返しても古びらない寺山修司の名言集。ポケットに入れながら旅をしたくなる。10月に世田谷文学館で寺山修司展が開催する。そのためだけに東京に行く。今から、楽しみで仕方ない。また海に溺れよう。
2024/09/14
ω
「自分たちにしか通じない言葉をもつのが恋人同士である。」 から始まるアフォリズム集。昨日会社で、ロン毛でてっぺんハゲでピチピチのジーパン履いてメタリックなキャリー引いて、右半分が白・左半分が黒のマスクしてる人が前方から迫ってきた時、本書の「衣装は、『あらわす』ためだけではなく『かくす』機能も持っている」という言葉を何か思い出した。
2021/05/22
ヨミナガラ
“幸福をさがしてみるのは/かなしいことかもしれません/――愛さないの愛せないの”“人間は言葉と出会ったときから、思想的である。/――映写技師を撃て”“小さな男が大きな男に勝つためには、小さな男が大きな男より「不幸」でなければならない。/――書を捨てよ、町へ出よう”“私はときどき、サルトルとかぶと虫のちがいについて考える。/私たちのときにサルトルだったものが、次の世代にとってはビートルズだった。このちがいは、実にとるに足らぬようなちがい〔…〕親父たちの説教への反撥を正当化〔…〕/――さかさま世界史”
2014/11/15
江藤 はるは
ことばに片想いしている。
2020/01/01
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