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なんとなく、クリスタル (新潮文庫 た 33-1)

なんとなく、クリスタル (新潮文庫 た 33-1)

なんとなく、クリスタル (新潮文庫 た 33-1)

作家
田中康夫
出版社
新潮社
発売日
1985-12-01
ISBN
9784101434018
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なんとなく、クリスタル (新潮文庫 た 33-1) / 感想・レビュー

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mae.dat

冒頭から驚きました。古く、流行っていた気がします。だから知っている人も多いと思います。右頁が本文。左頁が註になってるの。この様な遊びは好きです。と思ったけど、やっぱり読み辛いですね。時代が早過ぎたんや。ハイパーテキストなら。註に田中さんなりの解釈が入っていると嬉しいですね。逆は……。そしてこんな構成ですから、註の無いページは遊んじゃって。只でさえ薄目なのに。バブル景気に突入して行く直前位の、スタイリッシュな方の若い女性のステレオタイプ像を描いているのかな。でも単に註を沢山書きたかった説を唱えてみたい。

2023/01/07

goro@80.7

「フラミンゴのイラストがジャケットに描かれた、このレコードは、一月に輸入盤屋で淳一が見つけてきた」― クリストファー・クロスのアルバムを聴くたびに本の題名は想い出すのだが初めて最後まで読んだ。取り巻く環境は変わったがなんだか当時と今も本質は変わっていない気がする。クリスタルと持て囃された人達もおばあちゃんの入り口。孫もいて健康に気を使い、「なんとなく」とは行かないけど確かにキラキラしていた時があった。ノスタルジーな一冊になった。

2018/03/01

なる

戦後のサブカルチャーを採り上げた番組で触れられていて、そういえばタイトルだけは知っていたけれど手に取る機会がなかったと気づいて後学のために読む。右ページでストーリーが淡々と進められ、左ページでは作中に出てくる単語の注釈が延々とされる、というこの力技。注釈は全部で442個。面白い試み。巻末には出生率と老人比率の統計が意味深に添えられる。主人公を女性に据えているがリアリティがなく情報で造型しているだけ。薄っぺらさの極致。あくまで作者がツールとして使っているのが透けて見える。計算されつくしたナイフの刺し方。

2021/01/21

momogaga

読メ開始以前の既読本。発売当時は、平凡パンチ、朝日ジャーナル、POPEYEの愛読者だったので、飛びついて読みました。

エドワード

一世を風靡した<なんクリ>が復刊しているのを本屋さんで見かけた。オビには<1980年、日本がバブル経済に沸く直前の東京。その「豊かさ」の中で生きる云々>の文字が踊る。田中康夫氏はこの後、タレントになり政治家になり、東京の如く変貌したが、30余年をとっぱらって省みれば、翌年に東京へ出て来た私に、クラスメートの女子学生が「読んでみる?」と貸してくれた、スゴイ本だった。大学から近い代官山を散歩したことがあり、あか抜けない服装では肩身が狭かった。輝き始める東京が目いっぱい詰まった、ほろ苦く懐かしい、思い出の本だ。

2014/01/23

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