デンデラ野 (新潮文庫 や 40-1)
デンデラ野 (新潮文庫 や 40-1) / 感想・レビュー
ミサゴン
「豚神祀り」の子豚とか豆腐屋とか「デンデラ野」のヌンチャクとかモチーフがちょっとかわいいというか。そうかと思うと「春のたより」の人形劇に出てくる人形なんかはかなりサディスティックにぶっ飛んでたり。三本ともありふれた日常を描くふりして凄味のある話。でもこわいんだけどちょっと笑いそうになったり。人間がなのか運命がなのかわからないけど、そのおかしいゆえの怖さってゆーか狂気めいたものがぐいっとナイフみたいにつきつけられるとゆーか。すごい作家がいるなーの大発見でした。
2012/11/19
きむら
明るい文体なのに、書いてあることは恐ろしくてそのギャップにまた気味悪さが引き立つ。そんな感じの作品でした。ある家族の日常を切り取った書き方のため、終わりも唐突で何かが解決するとか、何かが終わるとかそんなことは一切なくて。ただ、短編としての終了。そこがまた薄ら寒さを引き立たせる要因になってるのかも...
2014/08/06
tarotaro
「わからなくて怖い」って感覚がリアルに迫ってきた。文章はとても読みやすく好きだった。他の作品も読んでみたいなと思える作家さんでした。
2013/08/06
みき
婆捨ての話しかと思ったら、違いましたね。現代家族の崩壊がテーマのようですが淡々と展開する日常が怖い。
2018/02/27
はじめさん
どこか狂った家族を描いた3つの短編を収録。 / 表題作は遠野物語に登場する姥捨山の名前だけれど、嫁にぞんざいに扱われる老婆、定職につかずフリーターを続ける孫娘、いまいち成績が伸び悩んでいる受験生男孫、体調のよくない亭主・・・さらっと書いてるけど、オチとかけっこうエグい感じ。 / 大学受験模試とかの合格率20%って実際は0%に等しいですよね。5回受ければ合格できるほど甘くないだろうし。
2014/09/21
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