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柩の中の猫 (新潮文庫)

柩の中の猫 (新潮文庫)

柩の中の猫 (新潮文庫)

作家
小池真理子
出版社
新潮社
発売日
1996-06-28
ISBN
9784101440125
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柩の中の猫 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

小池さんの比較的初期の心理サスペンス。『墓場を見おろす家』ほどの衝撃はなかったが、その幻想的な内容は、小池さんの得意分野だろう。ラストの謎解きの中で、人間関係のカラクリはなくてもよかったんじゃないかなぁ。進駐軍がまだリアルだったころの昭和のお話し、当時のファッショナブルな人たちの生活は、読んでいてなかなか楽しかった。

2019/05/26

遥かなる想い

文庫本の巻末の解説で、皆川博子が「読みながら音楽を感じた」と評しているが、小池真理子の本書はまさにそういう感じである。過去の事件を語り手に語らせながら、物語にはある種リズムがあり、抑制のきいた文章には魅力を感じる。それにしても、少女桃子には存在感がある。大人からははかりきれない、なぞめいた雰囲気をうまく醸し出していると思う。

2010/06/26

リッツ

人として怖い話でした。中盤までは主人公と同じく「だって…、だから…」と思っていたが、ラスト数ページに驚愕!告げておいた方がよかったこと、胸に秘めておいた方がよかったこと、しかしそれも運命、残酷な歯車の回る音が聞こえた様な気がした。

2017/10/20

sakai

小池真理子の中で1番好きな作品。何度読み返しても背筋の凍るような恐怖に襲われる。15年前初めて読んだ時に比べて抱く感想もだいぶ変わった。高校生の頃は露ほども感じなかったが、主人公の神経の図太さに慄く。主人公に共感する部分が多いと記憶していた作品だったが、改めて読むと違う。自分は絶対こんな風には暮らせない。

2015/06/20

兎路ポコ茶

家庭教師の雅代と桃子と白猫ララの穏やかな日々が、新たな人物の登場によって崩れてゆき、やがて幼い桃子の心には殺意が生まれる。実に悲劇的な展開だが、同時に不思議な美しさも感じられる。

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