Kiss (新潮文庫 こ 25-15)
Kiss (新潮文庫 こ 25-15) / 感想・レビュー
ミカママ
五感に訴えかけてくるような、Kissにまつわる短編集。オトナの女性であれば、誰しも一生にいちどの、とろけるようなKissって経験あると思うんだけど、もちろん私もそれを想いつつ読了しました。「いつかはこの男も失うのだ、(途中略)うなじにキスをしている自分自身の肉体も失われる時がくる」今のこのときに、この作品に出会えたことに感謝。
2016/12/12
kaizen@名古屋de朝活読書会
きゅん死に♡】恐怖小説短編14話。 初出は 「しゅるしゅる」 「蛇口」 著者の自信作は上位3は 「ミミ」 「くちづけ」 「親友」 読んで,やられたと思ったのは 「神かくし」 「足」 「生きがい」 そのほか, 康平の背中,首, ディオリッシモ, 鬼灯, 車影, 災厄の犬。 巻末に「ミステリ,ホラー著作リスト」がある。
2012/09/20
じいじ
ズバリ!直球なタイトルだが、面白い短篇集です。想像していたよりプラトニックな大人の恋の話。著者は性愛を抑えて男女のいろいろな「愛」のカタチをを「Kiss」を通じて描きたかったのだ、と思う。熱い口づけ、甘いキス、儚いキス、性の匂いのしないキス…奥が深いです「Kiss」も。登場する男女は、玉石混淆。魅力的で惹かれる女もいれば、キスなどしたくない女もいた。女と男の哀歓を丁寧に描いた小池真理子ならではの作品である。未知の女と遭遇できる、小説を読む愉しみを体験した一冊だった。
2017/06/22
いこ
もっと甘い「kiss」を想像していた。甘かったら「バレンタイン本」にしようかと思ってた。誰か教えて。小池さんってホラーの人ですか?出てくるkissは「友達の(別れた)夫との」「死んだ猫の骨壺との」「父の亡骸に降らす、出奔した母の」「夫の従兄との」等の顔が引きつりそうなkissばかり。最後にやっと「人生でもっとも嬉しく、もっとも幸福だったくちづけ」というのが出てきたが、この主人公はとっくに幽霊であるし。あぁ、素敵なkissに憧れる~。でも周りを見回しても、これが現実?逆に、これはリアルな話ばかりなのかも。
2022/02/03
扉のこちら側
2018年96冊め。タイトル通りの短編集だが、どれもなんだかほの暗く物悲しい。夫の従兄との不倫により夫が従兄を刺殺、全てを失った家を訪ねる『廃墟』、上司の歯に惹かれた『ラプソディ』、愛する人と首を吊った故人が語る『オンブラ・マイ・フ』が好き。
2018/04/06
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