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黒き舞楽 (新潮文庫 あ 23-5)

黒き舞楽 (新潮文庫 あ 23-5)

黒き舞楽 (新潮文庫 あ 23-5)

作家
泡坂妻夫
出版社
新潮社
発売日
1993-12-01
ISBN
9784101445052
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黒き舞楽 (新潮文庫 あ 23-5) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

人形師の妻が次々と命を落とす。病死と判定されるのだが、釈然としないところがある。その人形師は、主人公の女性秦子の教え子だった。秦子は人形師と恋に落ち、三人の女性の死の背景にある歪んだ愛を身を持って知るようになる……。傑作としか言いようのない素晴らしいミステリ。一番感心したのは、論理の物語であるミステリに、情感の物語である恋愛小説がうまく溶け込んでいる点だ。恋愛小説の部分は甘美な筆致で官能的に描かれている。さらに江戸の芸能の一つである人形浄瑠璃の人形が重要な小道具として使われて、幻想的な雰囲気を高めている→

2018/07/09

Yu。

旧家に嫁いだ女性達の身に起こる連続する不審死の裏側に隠されたとある人形の存在… というように曰く付きの浄瑠璃人形に込められた呪いが背景に描かれる幻想ホラー的なミステリなのだが、これほどまでに耽美的でいて倒錯的な呪術ストーリーは読んだことない。

2015/09/12

coco夏ko10角

泡坂さんの恋愛ミステリー。官能の空気。ミステリーもあるけど、それより文章や雰囲気を、といった感じ。

2017/02/13

ふう

情愛の謎に満ちた濃密な官能の物語。操り糸を引きつ引かれつ、堕ちていく女のその先には一人の男。そしてその隣には美しき人形が…てな具合に、とにかく怪しい。とんでもなくアヤシイ。お子ちゃまお断り、R指定の泡坂ミステリー。一応これ長編ってくくりでいいのかな、すんごく短いけど。

2015/06/09

Tetchy

呆然。真相が語られる最終章20ページは、途轍もない内容だった。しかもそれが理解できる、いや共感できるが故に恐ろしい。なんと表現すればいいのだろうか、論理などという左脳的驚愕ではなく、狂おしいほどの愛情という情念の、右脳的驚愕。私を含め、誰もが持っているであろう歪んだ心の部分、心の奥底に潜む獣性を引き摺り出された感じだ。死にたいほどの幸福ではなく、死んでもいいという幸福。そこに美しさはなく、ただ純粋さがあるのみ。だからこそ温かく見守れるのか…。

2009/03/29

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