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雨がやんだら (新潮文庫 し 25-3)

雨がやんだら (新潮文庫 し 25-3)

雨がやんだら (新潮文庫 し 25-3)

作家
椎名誠
出版社
新潮社
発売日
1987-11-01
ISBN
9784101448039
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雨がやんだら (新潮文庫 し 25-3) / 感想・レビュー

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masa

「やまない雨はない」誰かを慰めたいとき僕らは簡単に口にするけれど、本当にそうだろうか。その前に誰かの寿命が尽きても、振り返った時に「雨はやんだ」と言えるのだろうか。僕らはもう、無責任な優しさが却って人を傷つけることも知ってしまっているから、「やまない雨だってあるかも知れない」と想像する勇気を持つことがこれからは大切なのだろう。だから降り続く雨に、ふがいない僕らは、降りやむことを待つのをやめて、雨の中で生きていこうと決めた。表題作『雨がやんだら』は梅雨に20年近く再読を続けている僕の中のクラシック。/10位

2017/07/08

さっとる◎

八月二十八日 あれから一年以上経ってまだ雨が降り続いています。ワンピースが袖を通さないまま一年分また歳をとったことで、ずっとどこにも行けてないことを思い知ります。音信幸い普通。でも、あの春と夏の間に交わした約束が明日の希望になり、明日の希望は年をまたいだ祈りになりました。雨が長すぎて祈りと絶望が行き来します。それでも。明日には。来月には。今年中には来年の今頃には。雨がやむことを諦めるには人生が長すぎて、会えない日々が当然になるほどに一人はつまらなくなって、だからもう譫言のように雨がやんだら雨が、やんだら。

2021/08/28

Maki

雨がやんだら 泣きながら 笑っている 笑いながら泣いている 僕らは 雨の中 生きている 雨がやんだら きっとどこかの 誰かが心から笑えるように 祈りながら 今を生きている(僕らの世界が雨でも ずっとずっと先の未來が晴れていますように。 種をまくことはできるはず)

2020/05/08

牙生えかけのサイコ

椎名誠の初期SF短篇集。彼の書く「人間味」の泥臭さと清々しさの妙は「マイルドな筒井康隆」と語るだけでは勿体無い。独特の世界観に関する余計な説明は一切なく、その中で揺れ動く人と人との感性が素晴らしい。いそしぎに変わる妻を送る夫に心突かれたのも束の間、地底の変質者やいかがわしい本屋さんのお話などバラエティ豊かで楽しい。そして何と言っても、表題作の素晴らしさ。少女が日記に綴る拙い文字から、世紀末の有様と家族の愛がひしひしと伝わり、いつも涙してしまう。その後のアストロ球団ばりの血みどろ爆笑スポ根ネタがまた(笑)

2017/07/29

yukalalami

記憶も自分が誰かも分からずに島にたどりついた男。ある日海岸に女の子が書いたと思しき日記帳が流れてくる。そこには降りやまぬ雨の様子と彼女の日常が綴られていた。SF風だがなんともいえぬ切ない気分になる。梅雨の季節にぜひ読んでほしい。

2016/05/26

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