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ぼくがいま、死について思うこと (新潮文庫)

ぼくがいま、死について思うこと (新潮文庫)

ぼくがいま、死について思うこと (新潮文庫)

作家
椎名誠
出版社
新潮社
発売日
2015-12-23
ISBN
9784101448398
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ぼくがいま、死について思うこと (新潮文庫) / 感想・レビュー

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佐々陽太朗(K.Tsubota)

斎場と葬儀産業の胡散臭さ。チベットの鳥葬、モンゴルの風葬、ネパール、インドの水槽など世界の葬儀事情。向こう見ずな行動で何度か死にかかった話。作家に転向後、鬱になり自死しかかった話。これまでシーナさんのエッセイを読んできて、知っていた話、知らなかった話、いろいろ取り混ぜてなんだかんだいっていつの間にやらシーナさんの世界に引き込まれている。どのような死に方を望むかについて、シーナさんは「いつものように海べりで潮風に吹かれながら焚き火にあたり、最後の極冷えビールを飲みつつぼんやり死にたい」だそうだ。わかる。

2022/04/10

佐島楓

最終章で、胸の隅っこをきゅっと引っ張られるような、切ない気持ちになった。半分悲しくて、もう半分は救われたような気分だ。この本を読んで、自分ならどうだろう、と一度じっくり死について考えてみるといいと思う。死んでしまってからでは遅いのだから(わりと最近、よく思うこと)。

2016/03/14

GAKU

私、大好きな椎名誠さんが「死」について書き連ねたエッセイ。夢で予知した母の他界。世界中を旅して見た、鳥葬、風葬、水葬等異文化の葬送。親しい仕事仲間との別れ。ややもすれば重い「死」という題材を、そこは椎名さんらしく暗くなり過ぎずに書かれ、どの章もとても興味深く読ませていただきました。母や仲間との別れの章ではジーンとし、世界の葬送の章では、へーっ!と感嘆し、そして最後の「友よさらば―少し長いあとがき」ではもう、完璧にうるっと来てしまいました。“とても良い本に出合ったな”というのが率直な感想でした。

2016/04/14

TakaUP48

昭和初期の葬儀は白服。ビジネス文化で、今や葬儀は黒服。葬儀費用は、世界でも抜群の高さ。国々の葬儀で、チベットの鳥葬やモンゴルの野ざらしの風葬、インドネシアのトラジャ族のもがりを紹介。アマゾンのインディオの大多数家族では子供全員の面倒を見れないので行方不明が多い。国内の墓問題で墓地不足にも言及、大阪・一心寺のお骨仏に驚く!自己の終活も語っているが、気になったのは苛めによる子ども達の自死。過剰な報道と犯人捜しで復讐の方便化するマスコミの責任も大きいが、国家として、真面目に取り組むべきだ!虐待死も合わせて…。

2021/07/02

ホークス

椎名誠が死に向き合うことになった。年月を感じざるを得ない。まず親族友人の死。本来の悲しみとは断絶した、空虚な葬儀ビジネスや親族間の見栄争いに人間の業を見る。異国の鳥葬、水葬、風葬やら宗教習俗を色々回想するが、淡々として著者らしい機知は感じられない。墓だけを残して無人化した土地を描写し、近い将来の日本を思う。何と言うか、詩の様な一冊だった。貧民の自分など、墓に経済的身分以外の意味は感じないが、ある人ない人それぞれに苦労はあるだろう。見送る気持ちは静かに抱きしめておけば良いのではないか。

2017/08/04

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