明日なき街角 (新潮文庫 き 10-2)
明日なき街角 (新潮文庫 き 10-2) / 感想・レビュー
たーくん
再読。「やさしい言葉を並べりゃいいのかよ。愛してるとかよ。俺は信じねえよ。つまらねえとも思う。俺の気持があって、おまえの気持がある。それだけだろう」髪の長い夜の女は「逃げて」と言った。いつも部屋にいる女は「なぜ?」と言った。昼は作業着、夜はセルッティのスーツに身を固める哲二の中で、獣は育つ。危険な作家・北方謙三が炸裂させる白熱の青春ハードボイルド長編。
2017/08/07
zoe
北方さんは三国志・水滸伝・楊令伝と、歴史ものばかり読んできて、初めてのハードボイルド。昼は工場作業員、夜はモルヒネの運び屋の主人公の話。もちろん殺された男の敵討ちとか、そういうテーマはずっとあるのだけれど、それいじょうに「仕事に誇りを持つ」とか「本気になる」ってことがテーマなのだと思う。北方さんの書く男性はいつも掛け値なしに格好いい。女はいつもちょっと面倒くさいけれど。こんな世界と交わることはないし、実際に交わりたくはないけれど、だからこそこういう生々しい生き方に憧れるのかもしれない。
2015/11/21
イチ
★★★☆ハードボイルド。 ドキドキ感がもう少しあれば…
2014/10/08
ふっちゃん、男性60歳代(乱読書歴50年)→70歳になった。
北方さん38歳ぐらいの時の作品。ハードボイルドの世界に嵌り、言葉を探し、削り。そして文章も同じく、よりムダな処を省き、その中に自分の熱い々い想いを写し込んだ作品。内容の難しい展開等はなく、自分一人の想いだけを大事に活きる若者。そこで出会ったもう一人の若者。彼の最後の気持に至らず、最良とも思える相棒を失くす。そこからの彼には、自分の命とかではない、相棒の気持に気づかなかった自分が許せず、その行動を取るのは必然。【5.0】
2020/10/28
そーだ
初めて北方氏の著作を読んだ。正直本編よりも解説の方が面白かった。古賀が登場してから青臭い青春ストーリーになるけど、それが良い。
2014/01/15
感想・レビューをもっと見る