絶影の剣―日向景一郎シリーズ〈3〉 (新潮文庫)
絶影の剣―日向景一郎シリーズ〈3〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読。前半の舞台は東北の寒村。そこでは隠し金山を巡り〝疫病〟という体の虐殺が行われていた。医師二人を守りつつ、景一郎と森之助は六百人の村人を背負う闘いを開始する。裏切り、大量毒殺、凄惨な逃避行。舞台が江戸に移っても追っ手は絶えない。橘田や丸子十郎太といった剣客、老いた忍も絡みながら、六百人を救えなかった医師の最期の闘いが、生き残ってしまった男の、それでも彼らしい死に様。丸尾修理医師は最後に人として生き尽くしたのだろう。エピローグで十郎太と景一郎がしっかり仕返しに出掛けてるあたり、人間臭くて良いな。
2019/06/04
kinghaya
★ この巻は、初読の時にも重かった感覚だけ、覚えていて再読。確かに、読了感はスッキリしないが、今読むと、以前よりは映像化できる感じ。
2019/06/25
あさえ
諸沢村の疫病から始まる本作。ずっと景一郎視点が多かったが、ここにきてガラっと変わった。修理先生が、水滸伝の呉用と被った。楊令伝で方臘の軍師やってた時の呉用。なんとなく雰囲気が。景一郎も、少し人間味が出てきた様に思う。
2019/07/30
brink
今までのシリーズの中で一番の読み応え&バイオレンス。籠城戦の前半と逃亡&修理先生の戦いを描いた後半で二冊読んだような濃さ。絶対に勝てないものに抗う闘志と諦念がつらい巻でした。景一郎が達観して遠い人になってしまった分、まだ子供の森之助のこれからの成長具合も気になります。結局、このまま、シリーズ最後まで読みそう。
2011/07/01
もちこ
シリーズ3作目。このシリーズ、だんだん登場人物がきちんと年をとっていくのがおもしろい。次は森之助がどう成長しているのか楽しみ。 江戸時代が舞台で、藩や幕府の理不尽と庶民が戦うところは「余燼」と似ていた。
2011/04/21
感想・レビューをもっと見る