偏食的生き方のすすめ (新潮文庫 な 33-4)
偏食的生き方のすすめ (新潮文庫 な 33-4) / 感想・レビュー
kum
中島義道さん初読み。著者は食べ物の食わず嫌いだけでなく、「イヤなこと」に異常に過敏。騒音や相手の不誠実さなどに黙っていられないその行動は、難しいおじさんだなぁと思う一方、本当は多くの人が言いたいことをハッキリ言ってくれているだけだと思ったりもする。自分も何かがずっと気になるようなところがあるけどさすがにレベルが違う。その線引きについて考えていたが、中野翠さんの解説に答。「私もいささか偏食的人間だが、著者にあって私に決定的に欠けているものは執拗さと厳密さだ。」ま、いいか。で生きられるかどうかの違い。それだ。
2020/05/02
テツ
中島先生の日記エッセイ。カントについて語る哲学者としての中島義道ではなく偏屈なおじいちゃんの愚痴話という感じで小難しく考える必要もないし純粋理性批判なんて読んでいなくても十分に楽しめる。自身がマイノリティーであるからこそ見える世界っていうのは良く解る。マジョリティーが押しつける一般的な感覚が自分に取っては何と不快なことか。こうした小さな軋みをいちいち感じない人ってどんなに楽なんだろう。そんな自分の繊細さを正当化せずにシニカルに見つめる視点もまた必要。
2017/03/01
ナチュラ
哲学者で元大学教授で作家の中島義道さんの一年間の日記(エッセイ)。中島さんの日々の生活、家族のこと、本の出版での編集者とのやりとりなど、赤裸々に綴ってある。そして、その間に中島さんの偏食の数々が紹介?してある。味というより食材のイメージで食べられないものが多いようだ。オムライスは長い楕円形でないと食べられないというのは笑ってしまった。 偏屈オヤジの妥協しない行き方と偏食のギャップが面白い。
2016/12/31
doi
(図書館)尖った哲学者の方が書いた本。魚は飛んではならないのにトビウオは飛ぶから食べられない、など変なルールが沢山。面白かった、けど参考にはしたくない。笑
2015/08/04
すぎえ
闘う哲学者といわれる著者の偏食的な生き方を日記としてつづった一冊。とても面白いのだがなんて説明しずらい本なんだ。とにかく、偏食や騒音など一般の人々(マジョリティ)がさして気にならないことに、これでもかというくらい反発してしまう偏食家(マイノリティ)の著者。売れ筋の本よりも自分の好みの本を偏愛して読んでしまう人にはわかると思うが、その大衆意識に対してよくわからん的な気持ちを極限まで推し進めると本書が出来上がる気がする。ただ著者はもう途中から他人とのずれをあきらめている。もう、いいんだ感が溢れている。
2009/11/16
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