日本語は天才である (新潮文庫)
日本語は天才である (新潮文庫) / 感想・レビュー
Major
堅い本を読んでいていて、思考がフリーズすると幾度となくつまみ読みしてきた本である。日本語は天才なのだろうが、日本語を将棋駒「龍と馬」をもって盤面81マスを余すことなく動き切らせるように、日本語を縦横無尽に使いこなす柳瀬尚紀氏ご本人が翻訳の天才なのである。掛け値なしに面白い著作である。特に僕は第一章の「お月さんはなぜ怒ったのか」と第三章「平和なことば・日本語」そして、これは個人的経験と思いが重なる第六章「あずましい根室の私」を気に入っている。
2020/01/23
山田太郎
ジョイス訳すなら、これくらいぶっ飛んでないとだめなのかな?すごいこだわりっぷりというか。感心いたしました。
2013/05/23
壱萬参仟縁
2007年初出。日本語は不完全で、多くの日本人はよく間違える(25頁)。生きるの裏の意味は悪である(30頁)。日本語ほど表記が多彩な言語はない(148頁~)。英語との比較や、文学作品から独特な言い回しなどが引用されて、日本語の独自性を改めて知ることのできる1冊。
2014/11/28
メタボン
☆☆☆★ 言葉を駆使して縦横無尽に遊び倒すことが出来る柳瀬尚紀はさすがだ。言葉遊びに満ちた本。さればかの満月。掛けことばによる意味の二重性は面白い、
2018/04/27
田氏
ジョイス語に字酔いしながらもフィネガンズ・ウェイクの翻訳を成し遂げた、人類のひとつ上行く嫌ナ性向の翻扼家こと柳瀬氏は、翻訳の天才であるとのたまう。自身が、ではない。日本語が、である。そんな天才の仕事をほぐして言祝ぐエッセイ。それにしてもヤっぱりナにかこのセんせい、ぶっ飛んでるんやな性能が、頭の。早稲田の英文科に入ったのは、酒を飲みすぎて頭がぼやけたので東大数学科を諦めたからなんて言うし、解説の池内紀は、歩が三つと王だけの柳瀬尚紀と将棋を指して負けたそうな。そんな氏が天才と認める日本語、さぞ天才なのだろう。
2021/03/06
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