家鳴り (新潮文庫 し 38-3)
家鳴り (新潮文庫 し 38-3) / 感想・レビュー
ちょろこ
じわじわきた、一冊。人間の怖さ、追い詰められた時の精神が生み出す心、これが世の中やっぱり一番怖いのかも。食糧危機、介護、偏愛…じわじわ…どのストーリーも心の奥底を薄ら寒くさせる。「やどかり」が一番印象的でぞっとした。「春の便り」はどことなくせつなさも漂わせていた。
2016/06/10
ユウユウ
SFのようなファンタジーのようなホラーのような。世にも奇妙な物語(テレビのはあまり見たことはないのですが。)の世界。一話読み終わるごとに思わず声が漏れました。
2017/03/08
へいっち(ت)♪
初読みの作家さんです。長編を何冊か積んであるのでまずは短編から…。不気味な雰囲気の漂う7話。『幻の穀物危機』がリアルで怖い!!その他も狂気的な女と追いつめられていく男…そんな印象の残る作品でした。
2016/05/27
ブルームーン
ホラーっぽいタイトルだけど、心霊的なものではなく、生身の人間の怖さを描いた短編集といった感じ。ありそうでなさそうな、でも他人事では片づけられない、ゾクリとした怖さを感じる。
2015/01/11
エドワード
篠田節子さんお得意の怖い寓話。東京西部で大地震が起き、都民が山梨県へ食糧の略奪へなだれこむ「幻の穀物危機」。マスコミが報道しない、凶暴な日本人は嘘か真実か?公務員がふと憐みの情を抱いた少女。<フェアな競争には強くても、初めから騙そうという意図で近づいて来る者にはひとたまりもない>の一文が恐い!「やどかり」。篠田さんは介護の経験があると読んだことがある。介護のリアルを描く「操作手」「春の便り」。「家鳴り」は夫婦の夢と悪夢、「水球」は幸せの意味を問う。豚と少年を描く最終話は何故か「もののけ姫」を連想したね。
2019/09/12
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