蒼猫のいる家 (新潮文庫)
蒼猫のいる家 (新潮文庫) / 感想・レビュー
チアモン
ぞくりとくる話が多かった短編集。「ヒーラー」がとてもリアルでパンチが効いて強烈でした。短編なのにそれぞれ長編を読んだ感がありとてもお得でした。人々の心の闇を描くのがとても上手な作家さん。また体調のいい時に読んでみたい。篠田さんクセになりそう。
2020/01/29
りつこ
久しぶりに読んだ篠田節子。ぞわぞわとくる話が多くて、こういう作風だったっけ?とちょっと戸惑ったのだが、そういえばあんまり短篇は読んだことがなかったかもしれない。表題作、私には相当痛い。「ヒーラー」「人格再編」もリアルだ。近い未来、ほんとにこういうことが起きても不思議じゃない。こういう方向に流れそうな今の日本…私たち…。「クラウディア」はここにおさめられているなかでは一番ぶっとんでた印象。面白かった。
2019/04/02
くろにゃんこ
どんな展開になるか予想もつかない短編、これは絶品!もっと読みたいと思いました。読んだことがあるのもあったけど…と返却する際に裏表紙を見たら『となりのセレブの改題』だって。全部読んだことがあったのか(*_*)
2019/02/21
エドワード
この国と人々の行く末を見つめる篠田さんの冷静な眼差し。「静かな黄昏の国」に似た、近未来の日本の予想図が見事である。日本は発展途上国ではない。しかし半世紀前は高度成長期だった故に、勤勉で、アグレッシブな価値観を肯定しつつ、かたや停滞する社会を生きる<あせらずのんびりマインド>を称揚する矛盾を描く「ヒーラー」「人格再編」のリアルさに冷汗。どっぷり今の日本での、友人や家族の間の感情のもつれを描く「トマトマジック」「蒼猫のいる家」も実に痛い所を突くね。「クラウディア」は忠実な犬を描いて、さて人間は?と問いかける。
2019/04/17
きょちょ
この作家、多種多様な作品が書けるのは感心する。短編5作。 「トマトマジック」は、ひょんなことからドラッグを口に入れた中年女性たちの願望が明らかになる。程度に差があるのも面白いが、主人公の50代の女性が「今どきの40代は」というセリフが笑える。表題作は何が良いのか全く分からなかった。独立心旺盛な主婦だが、姑や旦那はともかく腹を痛めて産んだ子供にも全く未練がないのは不思議で、さらになぜ猫がこの主婦にだけなつくのか理由がさっぱりわからん。「クラウディア」が一番物語性があった。他2作は、筒井康隆的発想。 ★★★
2020/06/23
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