渦森今日子は宇宙に期待しない。 (新潮文庫nex)
渦森今日子は宇宙に期待しない。 (新潮文庫nex) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
最果タヒは初読。詩人でもあるらしいのだが、本書からはそうした気配は感じられない。また、これが彼女のスタンダードなのかどうかも不明。タッチはきわめて軽い。主人公は女子高校生であり、作中に登場するのもほとんどが彼女の同級生たち。ある意味でリアルではあるが、それは深みがないということでもある。また、渦森今日子は宇宙からやって来たという設定だが、小説にとってそのことは何ほどの意味も持たない。浮遊する小説、といえばそう。何の関係もないのだが、これを読んでいるとスプツニ子さん(一度NHKで見ただけなのだが)を思う。
2019/04/02
おかむー
なるほどイマドキっぽいライトでポップで乾いたノリの日常系ミステリ(ムー寄り)が西島大介のイラストと相まって軽快ですねオッケイ。『よくできました』。地方の高校の「宇宙探偵部」で友達や変人な部長とツンデレ後輩と日々を過ごす渦森今日子(宇宙人)。どこかポップかつ醒めた感じの今日子の視点で宇宙人にまつわる日常系の謎を描いた連作短編なのは前半まで。後半から結末に向けて今日子が宇宙人であることは味付けであって、友達との違いや将来への漠然とした不安を題材とした実に真っ当な青春自分探しの物語であることがわかりますよ
2016/05/28
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
☆4.0 一風も二風も、三風も変わった作品でした。 この作家さんの作風ってこんななのかなあ? 色んな作家さんや作品があって ほんと宇宙は広いですなあ。 ところでこの本何処で拾ったのだろう? 読メのレビュー繋がり? Amazonの「あなたへのおすすめタイトル」繋がり?? 全く覚えてないや。いつの間にか積まれてた???
2021/01/30
papako
楽しかった!作者の言葉の波に乗りたくて手にとりました。以前読んだものより『小説』でした。期待していた翻弄される感じではありませんでしたが、宇宙人である渦森今日子と仲間たちの青春物語でした。彼女が宇宙人であろうとなかろうと物語は変わらないけど、彼女が宇宙人だからこそ、その悩みが愛おしくなりました。『ちゃんと覚悟は決めた?』うん、私は覚悟決まらないけど、すごくよかった。
2021/12/23
じょんじょん
読むのにものすごく時間がかかってしまったのです。なんでだろう。最果タヒさん、その詩で紡がれる言葉は深閑とした洞窟に下がる氷柱のようにピュアで鋭く、落ちて刺されば、心の奥を切り裂くような刹那的な刃のようでした。全体の意味よりも言葉の鋭角さを体感するような作品たち。それとはまったく違うこの小説には、読み始めは戸惑うばかり。文章は平易で女子高生っぽい言い回しが繰り出されるわりには、なかなかはいってきませんでした。こうして最果タヒ作品には翻弄されるのですね。迷える17歳の宇宙規模の青春小説。あとがきが好きです。
2019/11/23
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