グッドモーニング (新潮文庫nex)
グッドモーニング (新潮文庫nex) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
最果タヒ22歳の第1詩集。篇中には18歳の頃の短歌や詩も収録されている。10代の詩は、まだ独自のリズムを持つにはいたっていないようだが、"yoakemae"の詩群では独自のスタイルに踏み出している。しいて言うならば伊藤比呂美の詩のリズムに近いかとも思うが、あまり自信を持ってそう言えるものでもない。表紙からは天然少女っぽいイメージなのだが、実態はなかなかどうして思考と志向と試行の後が感じられる。言葉も素材も平易なので、やはり彼女の詩の本質はリズムにこそあるように思う。
2020/03/02
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
☆3.75 中原中也賞受賞の、最果 タヒの第1詩集。
2021/02/19
☆よいこ
最果タヒデビュー作の文庫化。詩集。単行本に未収録の短歌が追加されている。▽10代のころに書いた作品もあり、なんだか中二病っぽいかも。形式にとらわれない詩の形は、Web上で見た方がいいのかも。紙では収まりきれない広がりを感じた。
2018/09/11
橘
最果さんの紡ぐ言葉が大好きです。十代の頃に書かれた第一詩集ということで、今まで読んできた詩集よりも、ひとつひとつが傷のような気がしました。言葉の渦に圧倒されました。夜、眠る時に一旦死に、朝、蘇る、日々はその繰り返し。生きるはきたない。最果さんのように的確に言葉に出来ないですが、この衝動は私の中にもあります。改めて最果さんすごい。
2017/04/12
tenori
意味や形を求めてしまうと、まったく理解不能な言葉と記号の羅列。あとがきで彼女自身が「どうしてそれを書いたのか、とか、何を書きたかったのか、ということはちっとも思い出せない」とし、「ちゃんと私を邪魔してくれる、否定してくれる作品であってくれたら」と述べているように、最果タヒが最果タヒであるために遺さなければならなかった墓標のような言葉の塊なのかもしれない。自分を切り刻むかのような攻撃性。閉塞から何かを産もうと連射される弾丸。音のない叫び。最果タヒの始まりの第一詩集は見たことのない風景。
2020/04/04
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