夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex)
夜空の呪いに色はない (新潮文庫nex) / 感想・レビュー
佐々陽太朗(K.Tsubota)
この物語に登場する人物は皆、純粋である。しかも若くても大人になると言うこと、失うと言うことがどういうことか知っている。たとえ十分な経験がなくとも、世界が完璧でないことを知っている。どうすれば良いか解らないからといって虚無的な態度に逃げるような浅はかなバカでもない。あくまでひねくれたりひがんだりすることなく知的で、物事を真正面からとらえている。おそらく自分の一部を捨てるという否定から始まった物語は登場人物がその物語を否定することによって肯定に変わる。この物語は悲劇では終わらない気がする。次作完結編に進む。
2019/08/10
kou
この作者は、伏線の張り方がホントに上手いと思う。真実が明かされる度に、「えっ!?」っと声を出してしまった。台詞回しや例えも独特で何度も読み返してしまう。個人的には、90~91Pの「大人になると言う事は?」のトクメ先生の答えには、なるほど!と唸ってしまった。
2019/06/14
カメ吉
シリーズの五作目ですが難しい?前作から時間が空いてしまったのと年齢的に理解力と記憶力の欠如を痛感しなが読みました。 いよいよクライマックスに近づいてきた感じはありますが伏線が張られ外堀が埋められつつある今作だった気がした。時任さんや大地くんや堀さんの過去がメイン。最後はどういう結末が用意されてるか想像がつかない。段々とややこしくなって読むのに疲れた。
2018/03/29
K
階段島シリーズ5作目。表紙の時任さんも物語に大きく関わってきましたね。『サクラダリセット』でも思ったけれど、作品から感じるイメージは"淡くて、脆い"。感情とそこから紡がれる言葉をまるでガラス細工を扱うかのように慎重に、丁寧に、とても大切にして、胸に染み入る文章のオンパレードです。「他人のフリ見て我がフリ直せ」ではないけれど、今作では登場人物の価値観に基づく選択と、それに伴う責任と後悔に1つのスポットが当てられていて色々と考えさせられました。個人的には自身の選択には反省はしても後悔はしないと決めています。⬇
2018/05/30
インド
200冊まであと7冊!階段島シリーズ第5段!敵対する七草と安達。大地を現実世界に戻すために動いていた七草は、現実と階段島の狭間で、とんでもない事態に巻き込まれてしまう。今回はなかなか展開が早く、これまで以上に飽きることなく読み進められた。大人になったぼくも、きっと日を過ごすなかで、たくさんの責任を背負っているのだと思う。それでも、歩みを止めずに、なにも捨てずに、自分を少しずつ作っていきたい。そして、自分は幸福なのだとむねをはって言えことができれば、最高だ(≧▽≦)
2019/07/19
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