オークブリッジ邸の笑わない貴婦人3: 奥様と最後のダンス (新潮文庫nex)
オークブリッジ邸の笑わない貴婦人3: 奥様と最後のダンス (新潮文庫nex) / 感想・レビュー
はるき
大大円で無事に幕を閉じました。 奥さまのために作られた小さな世界。美しい箱庭は、夢見るときを終えました。 ヒロインが幸せになる話が好きなので最後までハラハラしましたが、ハッピーエンドで本当に良かった。亡き人を思いながら、明るい未来へ繋がる幸せな物語でした。
2017/09/03
よっち
十九世紀英国式の生活。この特別な毎日にも終わりが近づく中、メイドのアイリーンが奥様が望む舞踏会の実現に奔走する第三弾。東川町の住人たちとも協力しながら準備が進む舞踏会。その最中にアイリーンがほのかに抱く想いの顛末、そして体調が思わしくない奥様のために皆で作り上げてゆく最後の本物の時間。切ない想いを抱えつつ奥様のためにそれぞれのやり方で奔走する人々たちの思いはとても真摯で、心揺れるアイリーンの複雑な想いの行方は一体どうなることかと思いましたが、いろいろあったけれど最後は良かったなと思えた素敵な物語でした。
2017/09/27
ガーガー
最後の無茶振り舞踏会を開くこと。そんなこと無理でしょと思っていたら、不完全ながら叶えて見せたアイリー二達はすごいし、それだけ奥様を大事にしているのが分かった。奥様の体調がどんどん悪くなり、これまでの日々が終わりを告げようとしているのを見て、とても寂しく思った。アイリー二がエドワード様が好きだと思った瞬間、ユーリじゃないの!?と驚いた。また、ユーリの最初の誘いを断った時、どうして!?と思ったけど、あのままなし崩しになっていたら、こんな幸せな最後ではなかったなと思ったり。
2018/03/01
assam2005
オークブリッジ邸・最後のお話。大切な人のために周りはどうするべきか。ある人は、大切な人の意思を尊重し、またある人は最大限一緒に過ごすことを考える。どれが正解かなんて、後になってからしかわからないし、同じ選択をしたとしても受け取り方は人それぞれ。良かれと思ってしたことであっても、途中でブレることもある。それでも、周りが一丸となり、お互いに信じて一歩を踏み出す勇気の大切さ。どんな難題にも受け入れ努力し、後悔しない答えを探しだす。後の同じ痛みを乗り越えた後の心のあり方は、その努力に比例するのかもしれない。
2017/11/24
瀧ながれ
サブタイトルから寂しい予感がしていたけど、ほんとうに終わりと別れの物語だった。でも始まりの物語でもあって、きちんと終わらせることができないときちんと始めることもできないんだなあと、ほろほろ涙しながら感じられる。奥様を「完璧なお屋敷」で迎えた場面に感動。奥様からみたアイリーンの物語を、もっと読みたかったな。…オーベルジュ・オークブリッジが楽しそうです、泊まりたくなります。こちらは小説にならないのかしら。
2017/11/25
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