さよなら世界の終わり (新潮文庫)
さよなら世界の終わり (新潮文庫) / 感想・レビュー
黒瀬
【そこは夜の教室だった。そして僕は地獄を見た】 『君は月夜に〜』など今までの著作と似通っているようでまるで違う毛色の作品。あとがきを読むと、とにかく著者が書きたかったことをぶつけたのだと分かる。だから好みは別れるかもしれない。死にかけると未来を見ることが出来る間中をはじめとした死とこの世の終わりを求める三人の男女。それぞれが生きづらさを抱える中で恋い焦がれるものは何か。SFと哲学が入り混じった虚構と現実、そして間中が見た未来は少々理解が難しい部分もあるが、それを考えるのもまた贅沢な楽しみ方かもしれない。
2020/07/08
ウッディ
死に近づくと未来が見える真中、幽霊と話せる青木そして他人を洗脳できる天ヶ瀬、引きこもりの矯正施設で出会った3人は、自殺未遂を繰り返し、生き辛い世界にささやかな抵抗を見せる。あとがきでデビュー前に書き上げた思い入れのある作品と書いていましたが、設定も内容も粗削りで、先の見えない絶望感の中で、著者の思い入れだけが絞り出されたという感じの作品でした。現実と悪夢の間で本筋が見えない構成、生と死の境界があいまいで、厭世感に溢れ、読んでいても暗い気持ちにしかならない駄作。若い人たちに読んでほしくない作品だと思った。
2020/10/08
緑茶
不思議な力を持っている3人の男女、その力の発動条件は「死にかけること」。とてもリスキーだけど、生に執着のない3人は淡々とやってのけることができます。読んでいて苦しくなる青春小説でした。死んだり生き返ったり、最後はいきなり好きだなんだとかあって展開についていくのが大変でした。個人的には他3作(4かな?)の方が好きかな、、、と思いつつ、これが彼らの原点なのかなと思うと納得できました。次作も楽しみにしてます。今回もloundrawさんの絵がとっても素敵でした💓
2020/07/12
hundredpink
いったい何を読んだのか。
2020/08/08
まるぼろ
学校の屋上でドアノブで首を吊って死にかけようとしていた間中成理は、親友の天ヶ瀬が世界を壊す未来を見るが…と言う所から始まるお話です。ラスト手前までほぼ全編に渡って破滅的な色に染まっている作品なので、読んでいるこちらも虚無感に襲われるからかため息を付く事が多かった様に感じられた作品でしたが、それでも最後、生きているのが辛くて何度も死にかけた三人が生きようと思ってくれたのはとても良かったと思えました。あとがきを読んでこの作品の傾向も含めて成程と色々と思う所もありましたが、とりま次回作にも期待しています。
2020/08/31
感想・レビューをもっと見る