世界文学をどう読むか (新潮文庫 B 1-16)
世界文学をどう読むか (新潮文庫 B 1-16) / 感想・レビュー
コニコ@共楽
ヘッセがどんな本を読んできたかに興味があり、手に取ってみた。巻末の40ページほどある「世界文学書目表」は神話、ギリシャ悲劇から現代小説まで、ずらりと並ぶ書物。半分も知らない作家、作品が居並ぶ。ちょっと残念なのは、女性作家や日本人作家が一人もいないこと。ヘッセは、本に対する愛着と情熱が語られる本文で、「自分が理解し愛し得るもので始めよ!」と読者を鼓舞している。何万もの書を読んだヘッセが「書物の魔力」を“驚くべき崇高な、超現実的な幻像が、光を受けた瞬間に、読者を見つめるのである”と言っているのが印象的だった。
2021/04/06
Gotoran
ヘッセを深く知りたいという思いから「ヘッセの読書術」を読みたいと思った時に、本書を相当以前に読んでいたことに気づく。再び読んでみた。書物を紹介するヘッセの筆致から、自らの情熱をもって書に向かうことの大切さ、書に対するヘッセの熱い思いがひしひしと伝わってくる、ヘッセが教える読書の楽しみとその意味。なぜ読むのか。真の教養とは。「わが愛読書」の中では、ゲーテ、ニーチェの他にドフトエフスキーを愛読し、中国の古典を賞賛している、日本については辛うじて禅と俳句について言及している程度。
2011/10/04
叛逆のくりぃむ
ヘルマン・ヘッセの手になる讀書論。一種のラブレター。孔子や老子の名が出て驚いた。
2014/11/11
テツ
かなり昔に絶版になったらしく所有していなかったのだけれど、何故か最近になって年上の友人から頂けた。ヘッセの本への愛情、そして読書量は凄まじい。文字と物語の精霊みたいな感じだよなヘッセは。良書との出会いというのは、『デミアン』におけるシンクレールとデミアンとの出会いのようなものなのかもな。その後の人生に大きな影響を与え、そしてその本人の自分自身を完成させるためにどうしても必要なファクターであったりするんだろう。
2015/10/21
fogman
ヘッセの熱い読書愛がひしひしと伝わる。「書物のこの無限な世界は、すべての真の読者にとってちがった姿を示す。彼らはみなこの世界のなかに自分自身を求め、自分自身を実際に体験する」
2012/04/12
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