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恋愛論 (新潮文庫)

恋愛論 (新潮文庫)

恋愛論 (新潮文庫)

作家
スタンダール
大岡昇平
出版社
新潮社
発売日
1970-04-07
ISBN
9784102008058
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恋愛論 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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のっち♬

「あなたは恋をしたことがありますか?」恋愛と呼ばれる情熱を構成するあらゆる感情の細密な記述。そこに法則性を見出していく巧妙な弁論術は圧倒的。結論への大胆かつ唐突な飛躍を随所で見せたりと、著者の思考過程は自由奔放で退屈させない。気どるな、時には危険に身を晒せ、幸福は自分で作れ、誰からも好かれる人は深くは好かれないなど、著者なりのメッセージ性も随所に見られる。恋する者が想像上の美点を相手に付与する『結晶作用』という単語は本書の鍵を握るキーワードだろう。生き、書き、愛した男の絶えざる考究がここに結集している。

2019/04/25

優希

苦しい恋の最中に書かれた「恋愛論」。自ら体験したからこそ恋の全てを語っていたと思いました。恋は「美しい」のみならず、あらゆる様相を持ち合わせている。興味深いことです。

2020/10/21

マウリツィウス

スタンダールの求めた恋愛ヴィジョンとは文学的探究の意図を含めている。シェイクスピア論で定着した英断と愚考を併せた論集はキリスト教における恋愛制度を批判しながらも正しい信仰と誠実を問い続ける。その起源にある旧約聖書『雅歌』に基づく理論はホメロスとの隔絶を告げる。アガペー/エロス逆転理論を本軸とした新約/ギリシャ反転論において偉人達の試みは無とされ最愛の生命とは人類の齎した礎と生活に位置すると定義したスタンダールは始祖二人の過ちはエゴの複雑集合に過ぎず悪夢は正しきヴィジョンに転換される。人と人との必然思慮集。

2013/05/25

テツ

恋も愛もそれにまつわる諸々の出来事も人それぞれ形が異なる。一般化も平均化もできないからこそ人はみな自分だけが直面したオリジナルなそれに右往左往し、他人がどう対応したのかについて知りたくなる。スタンダールが説く恋愛。時も場所も大きく隔たりがあっても思い悩むこと自体は変わらない。恋愛に溺れて破滅するのはアホらしいけれど、そこに嵌る感覚は心地良いもの。例えそれが泥沼であろうとも。

2020/03/29

魚京童!

猟に行って森に逃げ込む美しい新鮮な百姓娘を見かけること。この種の快楽に基づく恋愛を知らぬ者はない。どんな干からびた不幸な性格の男でも、十六歳にもなればここから始める。

2024/07/21

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