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カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)

作家
ドストエフスキー
原 卓也
出版社
新潮社
発売日
1978-07-20
ISBN
9784102010129
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カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ehirano1

挫折を潜り抜けて見えた景色は、素晴らしい以外の言葉が見つからないものでした。新旧の価値観が衝突する(=化学反応)することでこのような作品が仕上がるのかと感嘆しきりでした。感無量!

2024/08/15

ナマアタタカイカタタタキキ

①なるほど、この次元を目指して書かれたであろう作品が幾つも浮かんだのと同時に、それらを手に取る前にまずこれを読んでしまった場合、もうこれ以外をわざわざ真摯に読む必要はなくなってしまうかもしれない…とは些かオーバーかもしれないが、それほどまでにその人の読書観を覆しかねない大作。人間としてこの世に生を享けた者が、その生涯の中で遭遇するであろう、ありとあらゆることについて描かれている。何と、劇中に登場する細やかな挿話すら、一つ残らず伏線だったのだ。さながらヒトの一生である。未完らしいことが心の底から悔やまれる。

2021/04/29

青蓮

上・中・下通して約2000頁以上の大作、どうにか完走しました。とにかく密度がとても高い物語で一言では言い表せないです。そして一回読んだだけでは理解が及ばない点も多々ありました。渦巻く愛憎劇の果てーー誰が一体父親を殺したのか。ドミートリイの裁判の行方、錯乱するイワン、スメルジャコフの自殺。私はてっきり自殺するのはイワンだと思っていたので、スメルジャコフが死を選んだことに驚きました。この事件で一番心を痛めていたのはアリョーシャだと思うと何だか辛い。エピローグの彼の演説はとても素晴らしく気高い人間讃歌が感動的。

2016/10/29

れみ

カラマーゾフ家の殺人事件から約2カ月、ドミートリイの裁判が始まろうとしている…というところから。「大審問官」もそうだったけど、次男のイワンが前面に出てくると話が途端にややこしくなってくるのは、じつはイワンが颯爽とした文化人である反面どこか不安定だからなのか…。ミーチャはやっぱり悪い人間ではないけど迂闊。けどそれにしたって検事の論告はムチャクチャ言うなあ…と呆れる。ごく当たり前の感覚なら弁護士の言葉の方が腑に落ちるけど、それは読み手がここまでの経緯をミーチャの側で読んでるからだよなあ…とも思う。

2020/02/03

ハイク

遂に2千頁近い長編を読み終えた。村上春樹は巡り合った重要な3冊の本の一つにこの本を挙げている。ドストエフスキーが亡くなる80日前にこの本を完成したと言う。全巻を通して強く印象に残ったのは、上巻の「大審問官」と下巻の裁判で検事と弁護人の対決の場面であった。前者はキリスト教と無神論との意見を戦かわした内容だ。著者自身が最も力点を置いた所と思う。後者は著者が検事と弁護人のそれぞれにになりきって書くのは当然だが、その内容は迫力があり圧倒された。いずれにしてもドストエフスキーという作家はとてつもない作家であった。

2017/11/23

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