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罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

作家
ドストエフスキー
工藤 精一郎
出版社
新潮社
発売日
1987-06-09
ISBN
9784102010211
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罪と罰〈上〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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absinthe

これほどまでに心の内面を暴いた話を知らない。わずか数日の描写で極限まで細密に描く。棒きれが置かれたままになっているか、見当たらないか。ある種の賭けを行う。殺すべきかやめるべきか。殺しはそれだけでは終わらなかった。善良な妹まで手を掛けなければいけなくなり、それが主人公を苦しめる。神はいるのかいないのか…。ドアが開く、そのとき何を感じたか、ただその瞬間のために何行かけて描写したのか。その細やかさに感動する。生涯の友の一冊。

absinthe

再読。今までに読んだすべての小説の中で一番好きなもの。主人公については他の方が繰り返し書かれているし、再読でもあるから他の事を書こう。主人公の心理描写の素晴らしい作品だが周辺人物の魅力も忘れられない。 女は女神で男はヘタレとでも書きたかったのか。知識はあるくせにだらしなく、思いついてはおかしなことばかりする男たちを尻目に健気に生きる女たちのなんと気高く美しいことか。ポーレチカはあの暗くて陰鬱な場面に咲いた可憐な花のよう。

2019/11/13

ehirano1

「思い上がりの罪=偉才は凡人の道徳を踏み越えても良い」を起点にしてサスペンスとして読み手を包む。そして緻密過ぎるプロットで圧巻し、ロシア文学特有の煩わしさが幾分蹴散らされますwww。ラスコーリニコフを取り巻く周囲のキャラも立っていて引き込まれます。特に、ポルフィーリの言動には引き込まれると思ったら、かの刑事コロンボの原型ということにも納得。

2024/10/13

こーた

非凡な人間のまえに立ちはだかる障害を除くためなら、殺人さえ許される。第三部で展開される、青年ラスコーリニコフの殺人論。もしわたしが非凡人なら、罪を犯しても良心の呵責など感じないはずだ。青年は究極の実証実験を敢行する。老婆を斧で惨殺し、アパートから抜け出す第一部の描写は、さながら『ボーン・アイデンティティ』のような緊張感さえはらんで、鮮烈だ。青年はそれまで孤独だったはずなのに、殺したとたんに友人や親族、さらには見知らぬひとまで、続々とかれのもとへと集まってくる。そのことごとくがみな身勝手でウザすぎる笑。⇒

2018/07/24

れみ

その財産を世の中に役立てるためという名目のため高利貸しの老婆を殺す…貧乏な大学生ラスコーリニコフの計画は予期しなかった第二の殺人によって思いもよらぬ方向へ。臨場感や緊張感のある場面、乱高下する主人公の精神状態、様々な登場人物が次々と揃い、舞台は整った…とは思われるもののこの先の展開が全然想像つかない。主人公以外にも理屈っぽく話の長い人が多くてなんだか面倒くさくもあるけど下巻も頑張って読むか〜。

2016/09/12

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