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ファウスト(二) (新潮文庫)

ファウスト(二) (新潮文庫)

ファウスト(二) (新潮文庫)

作家
ゲーテ
高橋義孝
出版社
新潮社
発売日
1968-02-27
ISBN
9784102015049
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ファウスト(二) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

素晴らしい!お正月からこんないい作品を読めて本当に嬉しかった。イメージやシンボルに満ちた作品で、読んでいると心の底のところが、揺り動かされた。作品の中に入り込んでいると、心の深いところからいろいろな思いや映像が湧きあがってきて、魂が体から抜け出しそうになる。小説ではなく、詩の形でゲーテがこれを書いた意味は大きいと思う。詩なのでテンポよく読めるし、寓意的な部分も抽象的にならずに伝わってくる。しかし、詩の方に偏り過ぎたら高みから見下ろすような感じになってしまう。それを防ぐのはメフィストーフェレスだ。→

2017/01/04

アナーキー靴下

第二部はがっつりギリシア神話もあり『イリアス』から間もない今読んだのはちょうど良かった。前巻同様『ドラえもん』に例えるなら、ファウストはずっとのび太のまま、初めから最後まで何も学ばない。しかし決して悪い意味ではなく、何かに全力で取り組んで、その結果が裏目に出たからといって、悲嘆に暮れて次の一歩を躊躇するようなところがないのだ。神は結果ではなく行いを見てくれるはず、日々を愛し歩み続けるからこその結末。ファウストはうまくやり過ごしているのに「悲劇」としているところに、ゲーテの人間への優しさがあるように思う。

2021/08/31

優希

この世のあらゆる事柄に飽きていくファウストは精神の追及へと自らを投げ込んでいったように思えます。「大きな世界」への遍歴と経験から見出した真の生き方。その中でファウストが求めていくものは何であるか、そしてメフィストーフェレスはファウストの魂を手に入れられるのか。その中で行き着く道が本当の答えだったのかもしれません。ゲーテの思想が戯曲という形で花開いた作品のように感じました。

2018/04/16

佐島楓

宇宙観において埴谷雄高との共通がみられた。視点がとても高い。古典と呼ばれる作品だが、この普遍性がなければこのように現代に読み継がれることもなかっただろう。

2017/05/26

NAO

悪魔と契約した時点で破滅しているはずのファウストだが、より良き世界を目指してたゆまぬ努力を続けることで彼の魂は昇華されたのだとゲーテは考えた。かなり難解だしちょっと無理があるように思わないでもない設定だが、おそらくは、ゲーテもまた、ファウストと同じように、悪魔と契約してでも知識や真理の探究をしたいと思うような探求者の一人だったのだろう。そしてまた、一度は人間的に破滅したといわれるような人物でも、改心しあくなき努力によって救われるのではないかと、当時のモラルに対する考え方を批判したかったのかも。

2017/10/27

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