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ねじの回転 (新潮文庫)

ねじの回転 (新潮文庫)

ねじの回転 (新潮文庫)

作家
ヘンリー・ジェイムズ
小川高義
出版社
新潮社
発売日
2017-08-27
ISBN
9784102041031
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ねじの回転 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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のっち♬

田舎屋敷に美しい兄妹の家庭教師として雇われた娘は、自分にしか見えない幽霊から二人を守ろうと立ち回る。これで語り手の主観のみで進行するという怪談の常套的な語り構造で、綻びがまた絶妙。特徴的なのが謎多き兄妹や幽霊の希薄な存在感に対して、語り手の恐怖が克明に描かれている点。この不気味なアンバランスは幽霊の存在に対する議論を端から傍に退けているように感じる。前半は迂遠なやりとりが多いが、後半は「思わぬ急転」を見せてねじの回転は一捻り、二捻りと加速。登場人物の階級に着目すると最後の一文は時代変化を象徴するかのよう。

2022/01/01

青蓮

イギリス郊外にある古い貴族屋敷に家庭教師として派遣された「私」。そこには両親と死別した眉目秀麗な兄と妹が暮らし、穏やかな日々が過ぎていく筈だったーーそれ程長い物語ではないが、濃密で難解だった。幽霊は本当にいたのか?果たして語り手である「私」は真実を語っているのだろうか?それを思うとマイルズが言った「現実が見たい」という言葉がとても重要な意味を帯びてくるように感じる。自分が見たものでしか「現実」は立ち現れず、それは時として知覚者の都合の良いように歪んでいく。タイトルの「ねじの回転」も意味深長。また再読したい

2018/01/31

ねりわさび

前世紀に著作されたホラー小説。当時の流行の為かほぼ主人公による一人称単数による独白で構成され、クセが強い文章が続く。亡霊の描写はとてもよくできているのですが舞台劇のような展開が続くのでラストまで今一つ物語に入り込めない。S.キングは絶賛しているのでファンの方はお読みになれば良いと思います。

2023/01/12

mocha

噂に違わずわかりにくい作品だった。家庭教師の妄想という解釈が多数を占めているようだが、それにしても腑に落ちない部分が多い。主の頑ななポリシーや放校処分の理由、何よりラスト一文。文字通りの意味なのか、比喩なのか・・?終始漂う不吉な雰囲気に引っ張られて読み進めるも、幽霊の正体を見極められずもどかしい。松岡正剛氏の解説を読んで、この作品の「位置づけ」だけはわかった。https://1000ya.isis.ne.jp/0429.html

2019/09/01

マエダ

語り手が幽霊を敵とする自作自演をしていることは間違いないと訳者は言っている。もし幽霊がでたのだとしてもうっかり出たばかりに利用され実際以上の悪玉に仕立てあがられている。

2018/08/13

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