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デイジー・ミラー (新潮文庫)

デイジー・ミラー (新潮文庫)

デイジー・ミラー (新潮文庫)

作家
ヘンリー・ジェイムズ
小川高義
出版社
新潮社
発売日
2021-03-27
ISBN
9784102041048
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デイジー・ミラー (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

訳者後書き「英米文学史どちらにもでてくる。19後半から20世紀にかけ英語小説が発展する方向を大きく決めた。心理主義的リアリズムを先導。全知の語り手ではなくある視点人物の意識からみる方法を確立。NY生まれ。欧州との行き来多く死去の前には英に帰化」作者による末尾にある序文「この小品は話の展開で読ませようとするものではない、というより詩であろうとしている」当時のローマにはマラリアがあり空気感染すると思われていた。mal air(?)―マラリア。デイジーはかまって欲しかったのよね。さみしかったんだわ。

2022/02/20

buchipanda3

古典小説。スイスのヴェヴェーという小さな湖畔の町で出会ったアメリカ人の男女の物語。恋愛ものと言っても時代性からか(1878年作)、ちょっと控えめな感じ。それでも気になる女性の言葉や態度に翻弄されながら、男が気持ちをモヤモヤとさせるのは今も昔も同じ。格式ばった欧州の社交界の中を無垢で自由に振る舞うアメリカ人の女性。フレデリックによる語りなのでデイジーの本心は読み切れない。そんな彼女の思いがようやく垣間見えた時、思っていたよりも不意を喰らったような気持ちになった。何だか心にぽっかりと穴が開いてしまった感じだ。

2021/04/27

パトラッシュ

自分が正しいと考える常識やマナーに反する人がバッシングされる事件はネット社会で続発しているが、19世紀ヨーロッパから大して変わっていないのか。田舎の成金の娘が洗練された都会へ出てからも、田舎と同様やりたい放題の奔放な生活を続けていても21世紀の今日なら誰も気にしないが、ヴィクトリア朝道徳に縛られた時代にそんな行動をとるアメリカ娘は奇異の目で見られたのか。まして現地在住の同胞が形成する保守的な社交界に圧力をかけられては、窒息する思いに陥るかも。デイジーを死なせたマラリアとは、正義を押しつける悪い空気なのか。

2021/06/13

nuit@積読消化中

何十年ぶりかでの再読。うろ覚えでしかなかったが、読み進めるうちに記憶が蘇る。当時はデイジー・ミラーの行動や態度に「?」な疑問ばかりだったのを覚えている。時代ならではなのだろうか。著者の作品の中では「ねじの回転」がやっぱり好きだなぁ〜。そして余談ですが、最近、新潮や早川の文庫の文字が大きくなってくれてることに感謝です。まさかの老化現象&眼精疲労がこんなに辛いなんて…でも読みたい!な時には助かります。

2021/05/29

nobi

19世紀後半、アメリカの躍進はレマン湖畔の瀟洒で風格あるホテルにも押し寄せ、その勢いを体現したかのような天真爛漫で際立って美しい娘デイジーが登場する。そんな華やかな劇の進行は、普通のやるせない日常の描写から始まる小説に接することが最近多かったからか、作り物めいて見える位(無論小説ですが)。そんなデイジーにも届かないものがあり、innocentはflirt(訳:遊び好き、等)と見られてしまう。そのことを思い知らされていく彼女の無念さ。肩入れしたくなってしまう。” The last!”と反発する言葉が印象的。

2022/05/15

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