秋の断想 (新潮文庫 B 6-10)
秋の断想 (新潮文庫 B 6-10) / 感想・レビュー
まつ
随想集。後半に行くにつれて、難しい話になっているように感じた。訳者が複数であるのにも関わらず、全編を通して読んで違和感がないのは流石だと思った。印象に残ったのは、「ディンディキ」、「九月二十七日の事」、「秋の断想」の三編。そのなかでも、「ディンディキ」(朝吹三吉訳)は良かった。ディンディキとは赤道直下の森林に棲む柔い毛をした針鼠のような猿らしいのだが、この文章があまりにもきれいで、一匹の猿などを紹介するのには勿体ないと私は感じた。だが、ジイドのこの猿に対する思いの強さを感じたので、良しとした。
2019/01/23
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