特別な友情 :フランスBL小説セレクション (新潮文庫)
特別な友情 :フランスBL小説セレクション (新潮文庫) / 感想・レビュー
❁Lei❁
王道もあれば、BLなのか? と首を捻るようなものまで、多種多様な作品12編が収録されています(長編は主だったシーンのみ抜粋)。「特別な友情」は少年たちの淡いブロマンスで、萩尾望都や竹宮惠子らに影響を与えた作品です。大の男のハードコアや、性別越境ものなど様々取り揃えてありましたが、初心で愛らしい恋愛の描かれた表題作に最も心惹かれました。
2021/05/08
おにく
例えば苦手な食材でも、高級な材料であれば美味しく感じられるように、フランス文学の上質なBLは、食わず嫌いのままでいるのはあまりにもったいない。収録されているのはどれも、古典でありながら最上の作品ばかりで、神学校で信仰に励みながら、抑えきれない衝動に身を委ねる美しい少年たち。<ペールフィット『特別な友情』>、貧民町で暮らすM気質の美しい青年が、男勝りの令嬢に女として生きるよう手ほどきを受ける<ラシルド『ムッシュー・ヴィーナス』>など、永遠の愛を貫く彼らの行き着く先はあまりにも悲しい。(続く)
2020/03/26
たか
『ムッシュー・ヴィーナス』のラウールは、今でいうトランスジェンダー男性と考えて差しつかえないだろうし、一周まわってヘテロ同士の恋愛のようにも読めるけど、両者のセクシュアリティが曖昧なので、やっぱり判然としない。BLの定義について考えさせられる。
2021/11/08
ハルト
読了:○ BLというよりJUNE寄りな作品群。男と男の求め合う魂や、性別は女だけれど男として精神が女である男を希求してしまったり、肉欲だけで互いを愛し合う関係だったりを描いている。アンソロジーのため仕方ないのかもしれないけれど抄訳が多く、ちょっと物足りなかったです。入門編として考えればいいのかな。あと翻訳の言葉使いがカジュアルというかやや下品さが感じられて、少し気になりました。よかったのは「特別な友情」。
2020/05/27
ふくしんづけ
ほとんどが抄訳や一部抜粋のもだけど、まあまあ楽しめた。訳文は森井、中島が読みやすく、芳川、朝吹(既読)はちょっと曲者。だが後者も味があり、二者担当のプルーストとジュネは、本書中で比較的ファンタジー的な要素抜きのリアルな同性愛だったので、作風的にも嵌まっている。プルーストは前々からチャレンジしたいと思っているものの、なかなか踏み出せず。文学的、耽美系、自伝的など幅広くおさえてありコクトーとかそのへんかなあと思っていたら最後のサドに殴られ、さっそく積読増やしてしまった。『恋の罪』あたりから読み始める予定。
2022/01/16
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