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土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

作家
アラン・シリトー
Alan Sillitoe
永川 玲二
出版社
新潮社
発売日
1979-12-01
ISBN
9784102068021
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土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

デイリー・ミラー(大衆紙「ザ・サン」の創刊はもっと後)を読み、酒場ではもっぱら地元サッカーチームの勝ち負けを話題にし、土曜の夜はビールとジン(ウイスキーではない)を浴びるほどに飲む。気分はいささかアウトローだが、仕事にはそれなりに精を出し、相応の週給を手に入れる。そして、人妻相手のラヴ・アフェアー。イングランド中部の典型的なワーキングクラス・ヒーロー、アーサーの物語。ノッティンガム独特のグース・フェアを登場させるなど、リ-ジョナルでありながらも、それ故にこそ普遍性を獲得した、これは失われた郷愁の物語だ。

2015/11/13

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

へこたれさえしなければ、このくだらない世界も悪くない。週末は酒と女性に溺れて厳しい人生に立ち向かうのさ……。自動車工場で働く24歳のアーサーの日常を【ピカレスク】の形式で描いた物語。職場の上司や政治家、父親と権威と名の付く全てに対する憤怒でひたすら尖っている『土曜の夜』。【生活】を受け入れどこか諦念を漂わせながらも、できる限りしたたかに生きようとする『日曜の朝』。1958年に発表された【怒れる作家】アラン・シリトーのデビュー作。大学生の頃に読み「へこたれるもんか!」という台詞に共感した。リアルな青春小説。

2015/11/15

ケイ

男達は工場で毎日働き、週末給料を手にしたらビールを飲みに行く。喧嘩をする。人妻と浮気をする若者に、酔うと妻を殴る夫。中絶騒ぎ。ありふれた労働者たちの日常と彼らの食卓から感じ取れる暖かさ。日曜の朝、亭主が留守の間に浮気相手が焼いてくれたベーコンの肉汁。浮気がばれて殴られても、枕元に母親が運んでくれる紅茶とクリィムビスケット。働いて、飲んで、食べて、女と遊ぶ。お金が入れば親戚の子供たちにお小遣いをあげる24歳のアーサーは、喧嘩で負けても決して謝らない気概持ち。強い男はハードボイルドなんて鼻で笑うだろう。

2015/05/27

Willie the Wildcat

大戦を挟んだ時勢に揉まれる中、現状の閉塞感にもがく主人公。飲酒と女性関係に溺れるかのような日々が、鬱積したモヤモヤの捌け口。転機はもれなく、ビルとの喧嘩で逃げなかった瞬間。体制の象徴である軍服と対峙することで、心底に宿る既成概念・価値観を打破しようとしたのではなかろうか。”朝”が来たのは、母の目!無意識から意識への転換の瞬間。最後の魚釣りの比喩の場面。本人の意図に反して、ドリーンの掌の中で、主人公が操られるのが目に浮かぶなぁ。

2020/02/09

KAZOO

イギリスの労働者階級の若者の週末をえがいている物語です。当時のイギリスの状況などとくに風俗や労働者の生活がきめ細かに描かれていて読みでがありました。十代に近い青年がどのような感じで大人になっていくのかなあと感じさせる小説です。映画化されたということですが私は見ていません。見たい気がします。

2015/06/09

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