チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫 ロ 1-6)
チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫 ロ 1-6) / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
【ガーディアン必読1000冊】コンスタンスは炭鉱を所有する貴族クリフォード卿と結婚した。しかし夫が戦争で下半身不随となり、夫婦間に性の関係がなくなったため次第に恐ろしい空虚感に苛まれるようになる。そして遂に散歩の途中で出会った森番メラーズと偶然に結ばれてしまう それは肉体から始まった関係だったがそれゆえ真実の愛となった。
2006/09/03
司書見習い
地位はあるがつまらない夫に隠れて、ワイルドな男と関係を重ねる妻、とまとめれば官能小説みたいだと言えなくもない。性描写はそこそこ。 要するに、地位や財力などといった虚飾を取り払った上で、より直截的な人間そのものの姿を見つめよ、ということだろうか。結果、不具者であるクリフォドは全くの幼児になるという、帰結の残酷さまで避けずに書いた点は評価したい。 西洋における物心二元論の中で、下位に見られていた身体の復権というのもテーマか?(メラーズの思慮深い性格や教養、近代化に拒否感を示すコニイなどとは矛盾しそうだが)
2016/07/24
Tomohiro Hosomizo
最高裁が「わいせつ」であるため出版禁止にした作品であるが、「わいせつ」であるかどうかの評価は時代によって大きく変わるものだなぁと思った。現代においてこの作品をわいせつ文書だとして発禁にしたら大笑いされるだろう。内容的には何の面白味も無かった。ただ、戦争で下半身付随になった貴族の妻と森の木こり(?)との恋愛(不倫)模様を描いたもの。映画も見たが、同じく、何の面白味もなかった。
eazy
実に魅力的。 近代工業化がもたらした蹂躙ーー醜さ、貧しさ、卑しさへの高らかな抗議と反逆。 成功に取り憑かれた「精神生活者」への嫌悪。(以下引用)>コニーは、濡れ髪を頭にはりつかせて、燃えるような顔でふり返った。 興奮に青い眼を燃えあがらせ、ふしぎな挑むような身振りで走り出し、 空き地を抜け、濡れた木の枝に鞭うたれながら小径を駆けはじめた。 彼女が走りはじめると、見えるのは、濡れて丸くなった頭と、 前傾した濡れた走る背中と、光る尻のまるみだけになった。 それは身体を縮めて飛翔するすばらしい女性の裸像だった。
2006/12/28
お気楽になりたいお気楽さん
優しく生きる☆☆
2004/06/05
感想・レビューをもっと見る