最後のひと葉: O・ヘンリー傑作選II (新潮文庫)
最後のひと葉: O・ヘンリー傑作選II (新潮文庫) / 感想・レビュー
aquamarine
新訳で印象深かったいくつかの言葉が変わっているのに気づきました。言葉選びに気を配っているのが伝わってきます。ここに収録されているものは、すんなりとオチをわからせてくれないものも多い気がします。読み返してああ、そういうこと!とじわじわとこみ上げてきた話もありました。好みは「心と手」「ユーモリストの告白」。ラストの「更生の更生」は題名が変わってますが「よみがえった改心」。これは再読でもやっぱり好き。新訳のほうがテンポもいいと思います。久しぶりのO.ヘンリー、堪能しました。
2017/09/18
nuit@積読消化中
何十年ぶりかに再読してビックリしたのは「最後のひと葉」の記憶が違っていたこと。しかも肝心な陰の立役者の存在がすっぽり抜けており、恋人同士だけで構成されたお話だと思ってました。実はこんなにも素敵なお話だったとは!就寝前にホロリとしちゃいました。他には「心と手」「更生と再生」が印象的。世の中まだまだ人間捨てたもんじゃないな〜と思わせてくれます。引き続き3冊目を読みます〜。
2016/04/12
びす男
皮肉が利いていて、あたたかい。ヘンリーならではの味わいがある珠玉の短編集だ。個人的に表題作はもちろん、「金銭の神、恋の天使」や「更正の再生」が気に入った。「金で買えないものがあるかと思って探したら、百科事典をYの項目まで見てしまった」というセリフが面白い。
2016/08/03
巨峰
ピリッと効いたほんの少しの辛子が素材の味を引き立てているかのようです。有名な「最後のひと葉」をはじめ当時のアメリカの都市の人々が生き生きと描かれている。似たような落ちの小説を連続させた編集の意図は不明。翻訳はちょっと癖があるのだけど、これがO・ヘンリー独特の語り口なのでしょうか。
2015/11/05
aika
ニューヨークの片隅でそっと生きてきた老いた無名画家が、生を諦めつつある病床の若き女性画家ジョンシーに託した宝物を鮮やかに切り出した、短編の名作「最後のひと葉」。その他に収められている短編は、殺人犯が暗躍するブラックユーモアな話が多い中で、粗野で横暴だけれど、人を信じきってきまう憎めない男の恋をコミカルに、そしてちょっぴり寂しく描いた「ピミエンタのパンケーキ」にほろりとしてしまいます。お金に物を言わせる実業家が、息子のプロポーズにビッグサプライズを決行する「金銭の神、恋の天使」には思わず笑みがこぼれました。
2020/11/09
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