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魔が差したパン: O・ヘンリー傑作選III (新潮文庫)

魔が差したパン: O・ヘンリー傑作選III (新潮文庫)

魔が差したパン: O・ヘンリー傑作選III (新潮文庫)

作家
O・ヘンリー
小川高義
出版社
新潮社
発売日
2015-11-28
ISBN
9784102072066
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魔が差したパン: O・ヘンリー傑作選III (新潮文庫) / 感想・レビュー

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mocha

17篇のうち読んだことがあるのは多分5篇。とても新味のある訳で、既読の作品も印象が随分違う。好き嫌いが分かれるところだろうが、あとがきで表題作の訳に込められた思いを読んで、なるほどと思った。ハッピーエンドのコメディドラマを見ているような『人生ぐるぐる』と『第三の材料』が好き。

2020/09/13

nuit@積読消化中

傑作選3冊読み終えてしまった。O・ヘンリーの短編を読むと、質素で貧乏でも本当の幸せってあるんだなぁと考えさせられます。そして時代を超えてこの作品が読み継がれているこの世の中もまだまだ捨てたもんじゃないなーと思ったりします。この本では「魔が差したパン」と「第三の材料」が印象的です。過去に映像化もされている作品もあるようなので、機会をみて映像の方も観てみたいと思います。なんだかこの幸せな余韻にしばらく浸っていたい気分です。

2016/04/13

キムチ

古き・・良き?悪しき?時間がゆっくりと流れる。Oヘンリーの短編集2冊目。日本で言えば明治後半にかけての社会世相を描く巧手。IC機器はなく、人と人の間が直截的な状況で決まることが多い時間。行き違いもあれば、勘違いでおーのー!ってな具合もあったり。日本の落語とは違い、ウィットが利いた捻った短編ばかり17編。公金横領で服役した彼なればこその実に多種多様な小ネタが楽しめた。訳者の想いが後ろ書きにあり、直訳と意訳の泳ぎ分けを述べる拘りが妙味。

2023/07/11

aika

ニューヨークに住んでいても、田舎に住んでいても、人生には自力ではどうにもできないことがある。でも、ひょっこりと顔を出した奇跡が事態を好転させてくれることだってある。そんな生きることの機微に彩られた作品集でした。一番のお気に入りは、奉公先の石切場で虐げられる11歳のレーナを描いた「荒野の王子さま」。表題作「魔が差したパン」では、パン屋の女主人・マーサがお客さんに抱いた密かな恋ごころが、あっという間に驚きの展開に。短い物語に張り巡らされた伏線が見事に回収され、ピリッと効いた〈語り〉の巧みさに唸りっぱなしです。

2020/12/10

みつ

【O・ヘンリー誕生日読書会‘24】新潮文庫版の短篇集全3冊を読了。この新訳ではいくつかの作品が旧訳から差し替えられているようで、特にこの巻では読んだ記憶のないものもかなりある様子。第1巻の訳者あとがきで「落語のよう」と評されたマクラが長い語りは、この巻でも健在。表題作は独特のペーソスが、ある種残酷な結末の物語にほのかな温かみを感じる。若い女性二人と男性の物語「第三の材料」「紫のドレス」は、傑作選1の「手入れのいいランプ」同様優しさと哀しみが同居。「荒野の王子さま」は、貧しく薄幸な少女にとってのおとぎ話。

2024/09/29

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