風と共に去りぬ 第3巻 (新潮文庫)
風と共に去りぬ 第3巻 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ykmmr (^_^)
南北戦争は終わった。守りたかったタラは荒廃し、皆、士気を失ってしまい、スカーレットは厳しい税に喘いで脱税してしまう。しかし、またスカーレットの本質が発揮される。形式に従う周囲の人物に、自身の気質で反抗し、ポジティブに行動している。アトランタのレットの所へ行き上手く掌返しされるが、目線を変えて、妹の婚約者に乗り換えていく。当然、妹とのしこりが出る訳だが、自分の為、タラの為と、またここを自分なりに乗り越える。ここでまたアシュリーと再会。不甲斐ない彼だが、彼女に土を握らせて、本質を伝えて激励する。
2021/12/13
びす男
国破れて、生活あり。敗戦後ますます逞しさを増す主人公と、世間の狼狽ぶりが対照的だ■街や秩序、尊厳を奪われた南部には、前を向く人も、過去にすがる人もいる。残念なことに、家の再興を誓うスカーレットにとって、「淑女」を育てるための母の教えは何の役にも立ってくれない■戦争の終結は、ひもじさとの戦いのはじまりだった。焦土から目を背ける人々に、彼女は冷ややかだ。「古き日々は過ぎ去ったのに、この人たちは昔のままみたいな顔をして、これまで通りに生きていくのだろう」。そう言う彼女は、どうやって生きてゆくのだろう。
2018/05/04
優希
戦争は終結したものの、スカーレットには至難が襲います。残された人々を守るため、故郷を再建しようと奮闘するスカーレットは今までのお嬢様気質から変わっていくのを見たような気がしました。金策のため、強くなる。他の生き方もあるとは思いますが、スカーレットの選んだ道は強さと賢さを感じさせます。
2019/01/07
巨峰
一気読みを免れない面白さ。敗戦の中、スカーレットの本当の戦いがはじまる。母なる「タラ」農園を守りため。母の死、労働者のいなくなった農園の運営が肩にのしかかっても、飢えにも横暴な支配者にも彼女は負けない。それにしてもプライドだけが高くて兵士にろくな装備もないまま、ずるずると後退しつづける南部連合軍は、いつか太平洋の島々に散ったわが日本軍と重なってしまう。
2015/12/23
キムチ
旧訳で読んだ時は何と言っても自分自身が若かった。ただただ、スカーレットの炎のような情熱の迸りに圧倒され、フランクやレッドに向かう焔のような、愛とは異なるであろう感情に驚いた(シンプルに)今読み返すと、まず、新訳の軽やかなリズムが楽しい。それに伴ってスカーレットすら、いい意味でのコケティッシュさを感じる。国が南北に別れ、国政の行方を伺う戦い。それによる生活の寸断にひるむことなく日々生きるための闘争にたゆまぬ彼女が凄い。ふと我が国の当時の歴史的実情を思い起こし「黒船の国」のパワーに感慨を抱いてしまった。
2015/11/11
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