人間の絆(上) (新潮文庫)
人間の絆(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー
マエダ
モーム×金原瑞人いずれくるだろうとずっと待ってた人間の絆。あの有名なペルシャ絨毯の結末が気になる。
2022/01/23
Shun
新訳版。早くに両親を亡くし、足に障害のある少年フィリップ。牧師の伯父の家で育てられ少年時代はイギリスの旧弊とした信仰を旨とする教育を受けるが、彼の不自由な足はからかいの対象から逃れられず鬱屈とした時代を過ごす。ここでの屈辱的な日々は彼から神への信仰心を失わさせ、青年期になると決心をしてフランスへ渡り芸術を志します。ハンディを持ったフィリップは何のために生きれば良いのか煩悶とし続ける。年齢と共に様々な経験をし、その度幸福と絶望を何度も味わい彼の魂は何処へ向かうというのか、苦難はまだまだ続くようだ。(下巻へ)
2022/02/14
みねね
感想は下巻で。以下雑感。/恋愛の最悪手(しかしそれしかないと思えてしまうのだ!)を常に取ってしまう不器用さも、足のせいにするには鬱屈しすぎた性格も、行く先々で挫折するままならなさも。/フィリップのラディカルな要素ひとつひとつが普遍的で、誰もが持っている・持ちうるものなのがすごい。/上巻で最も与えてくれるのはクロンショーか。/帯に彼の台詞を採用したのはそのためとぼくは踏んでいる。/彼は破滅まっしぐらで、立場をもってフィリップを導いてくれる人は現れなかったようだ。/さて誠実な魂の行方はどこへ、下巻へ急ぐ。
2023/01/11
まさ☆( ^ω^ )♬
主人公フィリップの、病的とも言える程の自己中ぶりにイライラします。正直、クソ野郎です。下巻でこいつの性根は良くなって行くのでしょうか?ある意味、先が早く知りたいと思わせる物語です。取り合えず下巻に進みます。
2021/12/16
ぱなま(さなぎ)
生まれながらに抱えたコンプレックスに加えて幼いころに父母を亡くし、少し…いや、結構かなりひねくれて育ったフィリップという青年の半生記。エピソードがいくつも連なっているタイプの構成なのだが、切れ味のいい短いセンテンスに、残酷なまでに明快な皮肉。ある程度歳を取った作家が青春を活写しようとすればある程度理想主義的になるのは仕方ないと思うが、モームは意識的にそれを避ける…どころか、若者が青春に夢を見て幻滅するのは青春を通り過ぎた人間が美化して懐古するせいだとまで作中で明言している。そして→
2022/09/23
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