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私たちがやったこと (新潮文庫)

私たちがやったこと (新潮文庫)

私たちがやったこと (新潮文庫)

作家
レベッカ・ブラウン
Rebecca Brown
柴田元幸
出版社
新潮社
発売日
2008-09-30
ISBN
9784102149324
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私たちがやったこと (新潮文庫) / 感想・レビュー

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こばまり

この方の作品を読む度に心の脆い部分をきゅっと掴まれてしまい、思い切り泣いたような、そしてその姿を見られてばつが悪いような、切ない甘いやり場のない気持ちに包まれます。“失われていくもの”が描かれている為でしょうか。さらに読み進めてみたいと思います。

2015/03/11

星落秋風五丈原

「自分にないものを求めるのが愛」とは、よく言われるし、実際頷けるところもある。「ああ、そういう考え方もあるんだな。」と相手を受け入れていくことで、豊かな人生を歩むっていい。でも、自分にもともとあるものをわざわざ傷つけて、相手にまるっきり頼るなんて、絶対しない。ところが、この短編集のタイトルである『私たちがやったこと』の「私」と「あなた」は、実行した。「私」は耳を聞こえなくして、「あなた」は目を見えなくする。それが愛だと信じて。さて皆さんは、それが愛だと思いますか?

2008/09/22

kasim

時間と空間から逃れたふわっとした感触と、ずしりと重い感情の対比。親密さを極めるために一人は眼を、もう一人は耳をつぶす恋人たち、というシュールな表題作が強烈だが、一番好きなのは「アニー」。カリスマ的で万能の野生児なのに不器用なほど誠実なアニーと、屈託を抱えたその恋人=語り手。実在のアニー・オークリーは20世紀初めに亡くなっているはずだけど、舞台は現代。語り手が愛しているのは大西部そのもの、失われた大地の乾草の匂いで、アニーはそれを体現するからこそ、語り手の愛と嫉妬の対象になるのか。

2018/05/09

イノ

ゆがんでいるがまっすぐで儚い、恋愛短編集。互いが不可欠になるために、耳を聞こえなくした“私"と、目を見えなくした“あなた"。「私たちがやったこと」がなによりも刺さった。

2018/03/20

乙郎さん

書き出しには同じ訳者のバリーユアグローに近いものを感じた。ただし、ユアグローより細部のリアリティーがある。ただし、矛盾するようだが、リアリティーはあるけど現実感がない。語り手の言葉が現実と乖離しているように感じる。この狂気はきっとこちらを誘い込むほど強烈なもので痛みすら伴う。ペドロ・アドモドバルの映画に出てくる赤のイメージが離れなかった。作品としては表題作や「結婚の悦び」「ナポレオンの死」あたりが比較的分かりやすくて好き。

2009/08/06

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