自閉症だったわたしへ (新潮文庫)
自閉症だったわたしへ (新潮文庫) / 感想・レビュー
ann
東田直樹氏の著書を読んだ時のように驚愕の連続だった。東田さんのイメージは「春」だったが彼女のイメージは「厳冬」。病に対しての苦しさは同じだと思うのに、環境の違いは天国と地獄のソレのよう。今夜はドナの早すぎる一生を噛み締めたい。
2018/08/31
Natsuko
自閉症当事者の方の著書。言葉が巧みで、自閉症の方の世界がイメージしやすかったが、母親からの虐待など読んでいて苦しいページが多かった。勉強本としてはエピローグが分かりやすい。 1 物のペア・グループ分け:物同士の関係をはっきりさせつながりを意識するため。②物やシンボルを整理したり秩序立てたりする ③模様や図形・パターン:複雑な状況下でも物は同じ状態でいられる安堵感を与えてくれる。④激しい瞬きの繰り返し:物事のスピードを緩めるため。現実感が薄れ恐怖心が和らぐ。⑤繰り返し物を落とす:自由を意味する(?)
2023/08/13
eirianda
場面場面で自分のキャラクターを変えること、あまりにも情報が多いとシャットダウンしてしまうこと、土足でずかずかパーソナルスペースに入られることが苦手、など程度こそ違えど誰しもが心当たりのあることだと思った。ただ、所謂普通の人はそれを自己分析すらしないので普段は気づかずに見過ごし、摩耗して鈍感になっているのではないだろうか。自閉症の人は感受性が強く自分に正直なのかもしれない。世の中、生きづらいと思うとき、また読み返したい本。
2018/03/13
おか
余りにも過酷で 読むのが辛かったが どうしても行きつく先が知りたくて読了。これは一人の女性の自己との闘争そして自己からの逃走の記録である。原題の「NOODY NOWHERE」の方が私にはしっくりきた。大なり小なり人間は自分を閉ざしている部分があり その最大限として「自閉症」があるのだと思う。ドナが 本来の自分自身を求めて自分を閉じ込めている体という壁を崩す為に自傷行為に至る迄の心の葛藤は凄まじいものであるが 最後まで読んで この体験は「普通に」暮らしている人、暮らしたいと思っている人も読んで見た➡️
2016/09/17
ふろんた2.0
自閉症の著者の子ども時代からの記憶をたどる手記。内面で何が起こっているのかを理解することができる。タイトルが治癒したものと誤解を招きそうだが、自身の内面と向き合えるようになったということ。
2015/11/10
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