自閉症だったわたしへ 3 (新潮文庫 ウ 19-3)
自閉症だったわたしへ 3 (新潮文庫 ウ 19-3) / 感想・レビュー
KAKAPO
自閉症だった著者が、自分自身の人生を振り返り、そこで起こったことを赤裸々に綴っている。専門家の研究成果ではなく、自分のための記録は、読者一人ひとりに自分自身の過去を振り返らせる力がある。
2023/10/19
イプシロン
本当の感動とか尊敬というものは言葉にして語ることはできない。読み終えて立ちのぼってくるのはそういうものだけ。これは小説ではなく自伝――生きた証――なのだから。自分と戦って勝つ。広大無辺な宇宙にあって自分に勝利しえた人こそ比類なき栄冠を掴めるのだろう。というかエピローグはズルいよ。一瞬にして驚愕と悲しみにつつまれて涙が溢れた。人生とはなんとも過酷であると嘆息しつつ、それでも戦いつづけるドナに拍手と最敬礼したくなった。感想なんて虚しい。ただただ「ありがとう」という気持ちを空の向こうにいるドナに届けたいのだ。
2016/12/20
eirianda
「本当の自分」を探し続けるドナとイアン。健常者も成長する過程で、場面に応じてキャラを変えそれが板についていくものだと思う。私らしく、ではなく、社会人らしく、親らしく、職業や趣味に合った仮面で振舞っている。服も見合うものを纏う。そしていつの間にか統合され自分となっていくのだ。高機能自閉症のドナとイアンは自身を守るために纏ってきた仮面を、闘うように、自分を分解するように脱ぎ捨てていくのだ! 私は怖くてできないな、と思いながらも、仮面の種類と数とどの場面に現れるかを考えるだけで、非常にためになる読書だと思った。
2018/04/03
テト
再読。
2017/01/10
CCC
自閉症一般の話と受け取るのは危ういけれど、一つの例と捉えるなら問題ないだろう。『本当』に対してのこだわりがとにかく強かった。しかしそれはそれとしてこのタイトルは何だろう。自閉症『だった』……って。元タイトルとは関係ないけれど、一巻の時から個人的にずっと気になっている。何を思ってこの邦題なのか、訳者にはちょっと説明して欲しい。
2013/04/15
感想・レビューをもっと見る