小鳥たち (新潮文庫 ニ 3-1)
小鳥たち (新潮文庫 ニ 3-1) / 感想・レビュー
ケイ
デジャブ感は、「デルタ・オブ・ヴィーナス」とともにある老人のために書いた性愛ものだったからだ。若い男女の激しい肉体関係というより、多分にファンタジックでエロティックなイメージが浮かぶ短編たち。文学とは違うから特に感情に触れてはこないが、各短編の末尾の数行が残す美しい余韻は、書かされている性愛小説に対する作者の愛かしら。高度な技術を持つ訳者はこのような翻訳をしないのだろうか、言葉選びが稚拙な所があってエロスに入りきれなくする。解説のしをんさんの文章は、あからさまなのに正しい言葉選びで、その対比にニヤッとした
2017/03/16
ヴェネツィア
アナイス・ニンは初読。本書はエロティックな13の短篇を集めたもの。元来は老人コレクターの楽しみのために匿名で書かれたものであるらしい。だとすると、男性の読者を想定していたことになるが、視点はやはりあくまでも女性作家のものだ。おそらくはエロティシズムの位相が違うのだろう。読者の想像力にエロティシズムを喚起するという点では、バタイユやレアージュには遠く及ばない。もっとも、女性の読者からすれば、そうした点での評価あるいは変わるのだろうか。また、物語のいずれもが幾分表層的であり、背後に観念の深みのないのが残念だ。
2013/10/11
けぴ
女性作家による官能短編集。フランス出身の方なので濃い描写も美しく描いています。『砂丘の女』、『サフラン』、『家出娘』が特に印象的でした。
2021/06/16
こばまり
先日帰省した際に持ち帰り【再読】。解説で三浦しをん氏は限られた紙数に“エロ本”と4回も用いる程にハイテンションなのですが、私にはむしろさらりと清々しく感じられるのでした。等と煮豚を煮ながら読み返していた私。アナイス・ニンも草葉の陰で激怒です。
2015/05/06
藤月はな(灯れ松明の火)
(過激感想、注意!)三浦しをんさんの書評を読んだ時に「読みたいな・・・」と思いつつも「高校生でポルノ小説を読むのはアカンよね」と思い、早数年。成人し、同人誌も読んで耐性も付いたのでようやく、読みました。なんだ、用語が赤裸々なだけでエロスって言ってもあっさり目じゃない!「リナ」は「こういうなんか、自己中心的な女、いるいる~」って感じなのでちょっと、小気味よくも後味が悪いかも。「二人姉妹」のエドナの婚約者を図らずも寝取っていた頃の方が燃え上がっていたのに結婚した途端、不能になったドロシーの描写も中々、リアル
2017/03/29
感想・レビューをもっと見る