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チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

作家
トム・ロブ スミス
Tom Rob Smith
田口俊樹
出版社
新潮社
発売日
2008-08-28
ISBN
9784102169315
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チャイルド44 上巻 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

スターリン時代の旧ソ連社会を描く、著者の輝かしいデビュー作。'08年度CWA賞(最優秀スパイ・冒険・スリラー賞)受賞作。どこまでが事実で、どこからが著者の想像力を交えたフィクションであるのかがわからないくらいの迫真力。おそらくは、ほとんどが事実からなる事柄をフィクションとして再構成したものかと思われる。主人公はMGB(KGBの前身)の捜査官。国家という権力装置が持つ暴力(それは物理的にもだが、より精神的なダメージとして)を、これでもかと読者に突き付けてくる。凄まじいばかりの「負」の圧力である。

2021/05/18

遥かなる想い

2008年このミス海外部門第一位の上巻。 スターリン独裁下のソ連で 起きた子供の惨殺死体。 物語全体を覆う閉塞感が 不気味。冷戦の時代、国家の ために友人を売り、妻を売り、 スパイ狩りに ちまなこになる時代背景が 奇妙な緊張感を物語に 与えている。スパイという疑惑だけで、 無実の人間が大量に処刑された時代… 上巻はレオとライーサが謀により 追放される様と、不気味な惨殺事件が 平行して進む。 社会主義の狂気が怖い。

2014/01/18

よむヨム@book

★★★☆☆ 星3つ 前半は、旧ソ連や主人公レオの状況を説明する話になっている。 作者が史実を調べて、この本を書いているなら、 1933年の旧ソ連のウクライナの村は、悲惨というしかない食料不足だったのには驚く。 犬は勿論、猫、鼠まで喰らいつくしている。 また、1953年のスターリン体制化の国家保安省に目を付けられると命の保証がないという社会体制にも驚かされる。 個人より国家が優先される社会は怖いと思った。 本当に、おそロシア。

2022/04/04

紅はこべ

ソ連への絶対的忠誠を抱き、自らの正義を信じてきた国家保安省捜査官のレオの価値観が次第に崩れて来る様がリアルだ。レオはもし西側に生まれていたら、ごく普通に民主主義を信奉していたろう。国家や司法機関が過ちを認めないのって、現在の日本も似たようなものだ。

2015/02/07

みんと

ロシアという国の重圧感と猟奇的な殺人。 ストーリー展開もテンポが良く、あっという間に引き込まれる。 海外物は訳が気になってストーリーに入り込めないことが多いのだが訳者さんが上手なので違和感を感じることもなかった。 捜査官レオの苦難の中での活躍が期待大。 下巻を早く読みたくてワクワクする。

2015/09/29

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