エージェント6(シックス)〈上〉 (新潮文庫)
エージェント6(シックス)〈上〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
3部作の完結編。残念ながら、これまでの2作に比べると、時間の切迫性も展開のサスペンス性のいずれにおいても悠長な感は否めない。物語の主人公がライーサとエレナになりレオがなす術もなくロシアに残されてしまったこと、また舞台がニューヨークに移ったことが弛緩を招いたのかも知れない。 キューバ危機の後の米ソの冷戦下での謀略合戦を描くのだが、KGBにも対するFBIも今一つ迫力に欠ける。ジェシーの設定もまたフィクション色が強すぎるだろう。つまり、フィクションを構えれば構えるほどに逆に怖さが薄れるということである。
2021/05/25
KAZOO
三部作ですが、この事件の発端は、前の2作よりも主人公が若い頃にあるということです。その後、主人公の妻がアメリカへ使節団と主に行きますが、不幸な出来事があり、ということで舞台がどんどん広がっていきます。時間も長い時間をかけての物語で三部作の最後にふさわしいものなのでしょう。
2016/02/23
紅はこべ
『グラーグ57』を飛ばしちゃったんだけど、相変わらず運命はレオに厳しいみたい。米ソ両方悪役だ。下を読むのが辛いけど。このシリーズはレオとライーサの悲恋物語。
2017/01/24
財布にジャック
実は序盤の自由の女神のエピソードで落ち込んでいたら、そんなのは序の口でとんでもない展開が待っていました。このシリーズは3作目ですが、前の2作品とも辛いお話だったことは覚えていますが、詳細は忘れかけています。いずれ折を見て再読したいものです。この上巻では悲しい事件でクライマックスをむかえ、続きが気になるエピソードもあり、この先どうけじめをつけるのか、主人公を応援しつつ、下巻へ急ぎます。
2012/07/15
ゆかーん
『読むべきだった』。娘の日記を読むことに抵抗を感じた父レオ。しかし、その日記を読んでいたなら、デミドフ一家に課せられた事態は避けることができたのかもしれない…。そして、ライーサの命を救うことが出来たかもしれない…。この事件は全て、ソ連の闇の組織によって仕組まれていたことだった。何も知らない娘は、恋した男の策略にまんまと利用され、母親を失った、我妻を!運命の歯車は動き出した。妻を殺した犯人を捕まえるため、共産主義の国家勢力に刃向かうべく、レオは妻が殺された場所、ニューヨークへ向かうのであった。下巻へ続く…。
2015/11/30
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