エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫)
エージェント6(シックス)〈下〉 (新潮文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
主人公は今度は、アフガニスタンへ行かされて、ということで事件から7年経ってということで後半は始まります。ここでも様々なことがありますが、この主人公の生きている道筋はそのままソ連のそれと同じような感じです。最後には妻はいないけれど養女ともあえてということで希望の光が少し、というところで終わります。この3作は、最初は結構とっつきにくかったけれど、読み出があって楽しめました。
2016/02/23
紅はこべ
ソ連侵攻時代のアフガンが舞台の小説って初めて読んだ。ソ連は崩壊しても、世界はあの時代から少しも進歩していないように見える。教育を受けただけで実の両親に憎まれたナラは現在も存在する。この世界にレオが安住できる場所はなかった。ロシアとアフガンの娘達には幸せを曲がりなりにも与えられたけど。この先のレオに何が待っているか、胸痛む終わり方。
2017/01/28
財布にジャック
あら?いきなりニューヨークへ乗り込んで、復讐が始まるものだと勝手に思い込んでいた為に、前半いらいらさせられました。アフガニスタン紛争だからカブールが舞台なんですね。そしてパキスタンを経由して、最後にはニューヨークへちらっと行きましたが、そこのところは期待したほど盛り上がらず残念でした。でも途中のレオの活躍はワクワクしました。だから帳消しです。三部作トータルすると、スケールの大きな素晴らしい作品です。いずれ再読したいシリーズなので、その時まで本棚に大切に保管します。
2012/07/18
キムチ
3部作を通し、気づけばモノトーンの世界だった。特にエンディングの2転3転はアンジェラ・ワイダの映画を見た感激を思い出させられた。命を賭けて愛したライーサへの償い、取り返しようもないその想いから来る贖罪の旅程の先は2人の娘のほのかな未来に繋がるモノが望ましいのだろう。この巻は自死をも覚悟するレオ、自滅を意図する薬物中毒と禁断症状、ナラとザビ・・こちら側の世界にいる筆者によって書かれた秘密警察の闇の完結を人間・家族愛の形で昇華させた手法はロシアの作家になるものより受け入れやすい傑作といえよう。
2014/05/18
がらは℃
レオがアメリカに乗り込んで!と思っていたら、部隊はアフガニスタン。しかも、十数年の歳月が経ち、レオはアヘンに毒され、秘密警察を育成し、失意のどん底、、、とびっくりの物語の始まり。しかし、アフガニスタンでの出会いや出来事から、レオはアメリカへ、、、。けれども、その先で待っていた現実と、過酷なまでの未来と、小さな小さな幸せは感動したなあ。共産主義の暗部にメスをいれつつも、本作では前2作を上回る壮大なドラマは必読!
2012/07/14
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