KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

偽りの楽園(上) (新潮文庫)

偽りの楽園(上) (新潮文庫)

偽りの楽園(上) (新潮文庫)

作家
トム・ロブ スミス
Tom Rob Smith
田口俊樹
出版社
新潮社
発売日
2015-08-28
ISBN
9784102169377
amazonで購入する

偽りの楽園(上) (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

入れ子構造をとったミステリー。私たち読者はもっぱら語り手のダニエルの視点から一連の事柄を眺めることになる。上巻では母のティルデの回想をダニエルが聞くことに費やされるのであるが、その母親は父親たちに錯乱状態にあるとされている。我々はその情報を先に知るのであり、したがって母親の語ることが真実であるのかどうかについては常に揺れ動くことになる。なにしろ、ダニエル自身がそうした振幅の状態に置かれているのであるから。実は殺人事件(失踪事件?)がそれらの中核にあったのである。スウェーデンの田舎が前半部の主な舞台⇒

2024/06/24

遥かなる想い

『チャイルド44』でソビエト社会主義の暗黒を描き衝撃的なデビューを飾ったトムロブスミス待望の新作。スウェーデンの農場で幸せに暮らしている父からかかってきた電話..「母は狂ってる」という父..著者の実体験に基づくこの物語はある意味北欧の国スウェーデンの今を描いているのかもしれない。独白から伝わる農場の人々の悪意が物語に不吉な予感を蔓延させる。一体何が起ころうとしているのか..1963年の夏何があったのか、スウェーデンでは何が起こっているのか.上巻はすべての謎がばらまかれた展開だった

2016/01/10

KAZOO

今度はロンドンにいる主人公のスウェーデンの両親が相次いで連絡をよこすのですが、それが謎を呼んでということで、今までのシリーズとはかなり異なる感じがしました。前のシリーズ(といっても私はまだ中抜きで2作目は読む途上です)は、重く暗い感じがしてそれなりに面白いのですが、こちらはまた別の感じを持ちました。前作に引っ張られる人は不満が出るかもしれません。私はそんなになぜ母親の独白があるのかを知りたい気がしました。

2016/02/27

アッシュ姉

異国の地で幸せに暮らしているはずの両親からの突然の電話。父は母が狂ってしまったと言い、母は父に嵌められたのであって自分は正気で、必要なのは医者ではなく警察だと主張する。両親のどちらを信じればいいのか戸惑う一人息子。自分が見た犯罪の痕跡について、証拠品を示しながら語り始める母。一体何があったのか問い質しても、順を追って話すと答えるば かり。順番なんてどうでもいいから、何が起きたのか早く教えてくれ!と両肩を掴んでぐらぐら揺すりたい衝動に駆られる。思わせぶりな母の告白に、衝撃の真相を期待して下巻へ。

2015/11/05

yumiko

「チャイルド44」がとっても面白かったトム・ロブ・スミスの最新刊。あまり評判がよくないところが気になるけれど、手にしたご縁で読んでみる。スウェーデンに移住し、幸せに暮らしていたはずの両親。ある日父親から連絡が入る。母親が精神病院にいるというのだ。動揺する主人公のもとに新たな電話、「あの男があなたに言ったことは全部嘘よ。わたしの頭はおかしくなんかなってない。」今度は母親からの連絡だった…。なにが本当でなにが嘘なのか、狂気じみた母親の語りを中心に話は進む。なにが起きたのかさえ分からないまま下巻へ。

2016/10/11

感想・レビューをもっと見る