コクトー詩集 (新潮文庫)
コクトー詩集 (新潮文庫) / 感想・レビュー
マエダ
ちょっと理解しがたいところがある。小説は面白かったが詩は難しい。
2016/08/22
めがねまる
コクトーの詩は、最初のセンテンスを忘れても、最後の鮮烈なヴィジョンで蘇らせる。必ず一つは、ハッと現実に引き戻す言葉がある。星の中に、女の胸に、ラジウムや学習机が顔を出す。青いインキが溢れる幻視が感傷を覆い尽くす。不思議と感傷的でなく、言葉の美しさに映像の美しさが伴う。映画に進出したのも納得のいくこと。あとがきは1953年堀口大學による詳細なプロフィール。ここだけ時が止まり、今も詩人が生きてるように思わせる。私は小説に疲れた時詩を読むが、実は読んだ端から忘れてしまう。それでも何かが残る詩が、コクトーだった。
2017/01/29
ロビン
小説『恐るべき子供たち』をはじめ、ピカソに認められたという絵画、バレエ台本、映画製作など多彩な才能を発揮して活躍したジャン・コクトーの詩集。19世紀後半から20世紀半ばまでの困難な時期のフランスを生きたとは思えないほど(第一次大戦では志願して傷病兵後送部隊に加入)、いかにもパリ育ちという感じのする軽妙洒脱でウィットに富んだ詩の数々を残している。恋人を歌っても、相手に入れ込んで情熱的に讃えたりつれなさを恨んだりということはなく、常に軽口をたたいてからかっているような調子であり、実際結婚はしていないようだ。
2020/11/21
もちまる
コクトーがその時感じたことがとても伝わる。女性に関する詩が多いのかな?
2019/08/08
T
詩集は読み慣れていないので、初めはとりあえず読んでみたのですが、意味も取れないし…ということで、好きなように読むのがいいと聞いて、このフレーズ好きだなと思ったものに付箋を貼りながら最後まで読んでみました。風景や色彩豊かな表現や、夢の表現が特に好きでした。解説に、コクトーが多才な人物であることが書いてあり、劇や絵画、映画と多方面でその芸術的才能を発揮したということで、映画の『美女と野獣』は見てみたいなと思いました。また時間を空かせて読み返します。
2023/10/12
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