魔術師の物語 (新潮文庫 ハ 38-1)
魔術師の物語 (新潮文庫 ハ 38-1) / 感想・レビュー
goro@80.7
読友さんご紹介の本。堪能いたしました。探偵役となる全色盲の女性フォトアーティストのケイ。サンフランシスコを舞台に被写体となった男娼ティムがバラバラに切り刻まれて発見される。手口は15年前に起こった連続殺人と同じだった。それは元警官の父が汚点を着けた事件であり犯人は捕まっていないのだ。ティムの過去、隠された事件、サンフランシスコが見せるもう一つの顔。レズと公言する刑事のヒリーやケイを守るホームレスのドレイクなど脇役もいい感じです。魔術師の物語とは何ぞや?と思う方は読むしかない。ムフフなディープな物語でした。
2016/02/06
はらぺこ
自分には合いませんでした。主人公を最後まで好きになれずページ数以上に長く感じました。主人公以外の登場人物は嫌いじゃないので翻訳が合わなかったんじゃなくて主人公の性格が自分に合わなかったんやと思います。
2017/06/09
ワッピー
その街は無数の濃淡に包まれて広がっていた・・・全色盲の写真家ケイ・ファロウの目を通じてサンフランシスコは「色鮮やか」にたちあがる。友人の男娼ティムがバラバラ死体となって発見され、犯人の手掛かりを追ううちに過去の未解決連続殺人事件の謎が、そして強大な圧力が彼女を襲う。街の生々しい雰囲気、そして脅されても決して引き下がらないケイのタフネス、忽然と現れた魔術師とティムの物語にハマりました。真の魔術師のその後にはいささか拍子抜け感はあるものの、ブロック「八百万の死にざま」にも匹敵するサンフランシスコの神話です。
2018/05/01
けいちゃっぷ
友人が殺された真相を掴もうと駆けずり回るカメラマンの女性。ジコチューとしか思えん行動ぶり。が、印象には残るかも。『イローナ』は大筋は覚えていたとしても細部は忘れるでしょうが、これは大筋は忘れたとしても所々は思い出すかも。写真か細切れの映像のように。651ページ
2010/07/03
tei
主人公の設定もさることながら、なかなか奇想天外な展開を見せる物語だった。題名にも登場する「魔術師」は、意外にも脇役。主人公のケイはかなり凄い人物なのだが、本人が自分のことをあまり評価しないせいか、それ程凄く見えないところもまた凄い。二作目も読んでみたいな。
2014/12/06
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