瀕死の森、勇士の槍 (新潮文庫 ケ 13-1)
瀕死の森、勇士の槍 (新潮文庫 ケ 13-1) / 感想・レビュー
うたまる
「で、あなたはどう思われますか?野蛮なのはどちらです?」……南米エクアドルで油田開発に抗うアマゾン原住民たちのルポ。まさか1990年代になっても、欧米がかつての植民地化プロセスを活用していたとは思いもしなかった。宣教師を尖兵とした民衆教化、部族間を反目させる分断統治、脅しを背景にした不平等な契約。どれも歴史の授業で見覚えがある白人の常套手段だ。仮にその悪辣さが表沙汰になったとしても心配することはない。贖罪と保護を名目に麻薬漬け、アルコール漬けにしてしまえばいいのだ。これもインディアンで実証済みだから。
2024/02/15
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